私のツーリング顛末記  ▼Bikeのページに戻る  ▼次のツーリングへ
【九州発上陸】
 まだバイクに乗り始めの頃(4.5年前)、一人でふらふらと大鼻崎に行き、ぼーっとしていると、 「やあ、君も夕陽を見に来たのー」。は?....ここでは、ほんとにライダーが集まっています。 なんとZ2に乗っている方でした。なにがどうなったのか、この「先生」(と、私は呼んでいます。) と、九州にツーリングに行くことになりました。

 Z2というバイクは名車といわれています。とても渋いバイクです。しかもスピードも出ます。 「先生」は、どんどん先にいってしまい、私はひとりで走っていました。初心者が知らないところをひとりで走るのは、本当に心細いものです。
この先生の走り方は、まず、先生は自分の好きなペースで先に走っていってしまう。 後続の初心者は自分のペースで走ればいい。
先に行った先生は、初心者が迷いそうな分岐点で待っていてくれる、というものでした。
考えてみれば、とても合理的かつ親切な方法です。
決して初心者がベテランのペースに合わせて無理をして走る必要は無いわけです。
しかし、方向音痴な私は普通迷いそうもない所で迷ってしまいます。
一人で知らない所を走っていると、「本当に正しい道だろうか?」と、不安になってしまうのです。

 朝早く高松を出て、高速で西条まで(当時は西条までしか通っていなかった)行き、そこから佐田岬を抜けました。
この佐田岬では海岸沿いの道を通ったものですから、私は半べそ状態でした。道は狭いし急なカーブは多いし、途中で切り返しを しようとして転倒するし......(私は狭い道の、ど真ん中で転倒しました。ちょうどその時、向こうから車が・・・親切な車の運転手さんは、私のバイクを起こしてくれ、去っていきました。)
この後の先生との会話・・・・
「遅かったけど、どうしたの?」
「・・・道ばたで転倒していました。」
「生きてる?」
転倒から復活した私は、うるうるしながら、先生の待つ分岐点までやっとのことでたどり着いたのに〜。
途中でメロディーラインに変更したのですが、その頃には疲れきっていました。
でも、景色は本当にきれいです。海を間近に見ながら走れます。メロディーラインを通る頃には夕方になっていて、夕陽がすごくきれいでした。ぜひ、夕方に走ってみて下さい。

 こんなにのんきにしていると、もう大分に着く頃には真っ暗になっていました。ここから、湯布院まで 突っ走ったのですから、宿に着くと、もう真夜中でした。初心者は夜の山道も怖いのです。




 さて、次の日。朝早く出かけようとしたら・・・なんと、山道が凍ってました。
九州だから暖かいだろうと考えていたのは、大きな間違い。結構寒かった。時期が10月の下旬だったせいかも。 (これが、夜となると、冷え込みが激しいです。私は、手がかじかみ、ハンドルが握れなくて、苦労しました。)
阿蘇といえば、ライダーなら、「ミルクロード」「やまなみハイウェイ」を走るのがお約束でしょう。 実際、眺めもいいし、とても快適に走れます。

 ところが・・・・、私はまったくの初心者。しかも、運転がど下手でした。
よく笑われるのですが、私はバイクに乗り始めの頃、公道での右折ができませんでした。
直進する対向車が怖くて、なかなか右折するタイミングがつかめないのです。
そこで、私は考えました。
最初から一番右の車線にいれば、右折するために車線変更(これが、苦手なんです。)する必要がない、と。
どっこい、右折しかできない車線というのがあって、右折したくない所で右折してしまう。
この逆もあります。
バイクはだいたい、一番左の車線を走ります。これが、いつの間にか、左折しかできない車線になってしまっていたりする。気付いたときには、もう遅い。
左折したくないのに、左折してしまう。
ばか〜、とお思いになるでしょう。でも、切実な悩みだったんです。
自転車で30分で行ける距離を、バイクでいろいろ曲がっていたら、そのうち道に迷って、帰ってくると1時間もかかったこともあります。

 さて、これだけ運転の下手な私です。しかも、一緒に走っているのは、ビッグバイクのベテランライダーのおじちゃんばかり。
Z2、BMW、CBR(全部、限定解除で乗れるバイク)・・・・この中に混じって走るなんて!!

 ご想像できるでしょうか?私は泣きそうになりながら、ついていきました。
グループでのツーリングでは、初心者は列の真ん中あたりに配置されます。
当然、私の後ろを走ってくれる、子守役がいるわけで・・・。
後で聞くと、この子守役の人、いつ私が転ぶかとヒヤヒヤしたそうです。また、私はとても緊張していたらしく、肩がもりもり盛り上がっていたそうです。

この時になって、初めて、九州まで来たことを後悔しました。
(今なら、きっと多いに楽しむでしょうね)
あ、景色は最高ですよ。ぜひ、草千里にも行ってくださいね。(私は草千里でお昼寝しました。草を食べている牛を眺めつつ、のんびりくつろぎました。)大観峰には、バイクがいっぱい集まります。もちろん、先生のZ2は注目の的!!
ライダーには、気軽に話をしてくれる人が多いです。対向時のピースサインも必ずといっていい程、返してくれます。やっぱり、うれしいものです。




 湯布院に戻って一泊した私達、九州のおじさまライダー達と別れ、一路目指すは高松。

佐賀岬からフェリーで四国まで帰ります。例によって、またまた道に迷った私は、港がわからなくて、うろうろしていました。迷い疲れた私は、とうとう警察にかけこんで道を聞き、港までたどり着いた・・・まではよかった。
なんと先に港にいるはずの先生がいない。
どうやら、余りに遅すぎる私を探しに行ったようです。ライダーの方って、本当に親切!
などと思っている場合ではありません。そうしているうちに、出発時間が来てしまいました。「まだですかー」と船の方に急かされ、どうしよー、と思っている所に先生のバイクが登場。
私は、こっぴどく叱られました。

さて、船の中では全国をバイクで走っているという50才代のアメリカンに乗った2人のおじさんと話をしました。サングラス、黒のライダースーツ、と外見は怖そうですが、とてもいい方ばかりでした。
ところで・・・私はてっきりこのまま一直線に高松に帰るものだと思っていました。 (時間的にも体力的にも精一杯)
しかし、先生の主張は、四万十川で夕陽をみたい!とのこと。(先生はとにかく美しい夕陽を見ることに命をかけていらっしゃいます。)
そんなん無理だ〜、と不満を述べたものの、先生は一度決心すると何がなんでも実行する方です。(さすが○○中学校の英語教師!!)

さて、四国に戻ってきて、まずは高速にのるために、西条を目指します。
地元の方はご存じでしょうが、夕方になると、松山から高松方面への道はとても混みます。
バイクならすり抜けができるので、まだ車よりはましなのですが、初心者は、すり抜けさえ満足にできない。しょうがないので、車に混じって、渋滞の中でがまんしてました。
私は自業自得なので仕方ないにしても、かわいそうなのは、私の子守をしている方です。ZEPHERの750なのに、渋滞の中、黙って車の後をのろのろとついていく。
あまりに申し訳なくて・・・。(でも、どうしようもなかったです。)

結局、この渋滞を抜けて、高速へ入るともう薄暗くになっていました。
もう、くたくた・・・なのに、先生(先生はとうとう夕陽を断念しました。)達は私を食事+カラオケに引っ張っていきました。解放されたのは、もう夜中も近い頃。
私が高松の自分の下宿に戻って、パッタリと倒れたたまま、動けなかったのは言うまでもありません・・・・。

どうやら、ライダーには体力がおおいに必要なようです。


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