<2013/10/01>
 
授業を基に「思考力の育成」を討議
「『思考力』を育成するユニバーサルデザインの授業づくり」を研究テーマ掲げる附属坂出小学校。5/29(水)、香川大学教員も参加し、研究テーマの討論が行われました。
 

学部教員と附属坂出小学校教員との合同研究集会 報告


 平成25年5月29日(水)に、香川大学教員と附属坂出小学校教員との合同研究集会が開催されました。

  附属坂出小学校では、平成15年度より「思考力」に着目し、継続的な実践研究を進めてきております。平成21〜23年度の3年間には、メイン研究テーマを「知の更新をめざした『思考力』の育成」とし研究成果を積み重ねてきました。それを踏まえ、昨年度からは、「『思考力』を育成するユニバーサルデザインの授業づくり」という研究テーマを設定し、研究を展開してきています。本年度は2年次にあたり、サブタイトルに「特別支援教育の考えを生かして、すべての子どもの思考活動を保障する」が加えられました。

  研究集会当日は、第3学年西組の社会科「めぐって 見えた 学校のまわり」の授業が公開されました。本単元で育成したい「思考力」は、「住宅や店の広がり、公共施設の位置、道路の様子等を手がかりに、探検したコースを比較・類別する力」でした。思考に必要な要素として、知識、要素への働きかけ、学び合いをを活性化するため働きかけを捉え、学習指導過程が構想されていました。知識に関連しては、観点の焦点化、手がかりの強調を重視し、学び合いの活性化に関わっては、板書の構造化が重視されていました。特別支援教育の考えを取り入れながら、丁寧に計画された実践でした。実際の授業場面では、なにより活発に授業に参加している児童の様子が印象的でした。
 
 授業参観後の全体会では、本年度の研究についての説明及び授業討議(附坂小型リフレクション)が行われました。

 本年度の研究の概要では、昨年度のからの研究の経過や成果及び本年度の研究の方向性が示されました。本年度の重点としては、さまざまな子どもの認知特性や教材の特性に対応するための働きかけ、自分と友達の考えを関わらせながら学び合いを活性化するための働きかけを探っていくことがとりわけの重点となります。
 
 その後、授業討議に移りました。授業記録が配布され、そこには抽出児の個の見取りシートも添付されていました。それらも参考にしながら、学習指導案の検討をはじめ、研究テーマに係るマクロ的な視点から、また一人ひとりの児童に寄り添ったミクロ的な視点からの討議が進められました。これまで以上に、活発な討議会になったように思います。その背景には、この公開授業に向けて、先生方による事前検討や模擬授業が繰り返し行われてきたことがあったようです。
   
  「ユニバーサルデザイン(UD)」という視点は、教育実践研究においては今日的に非常に重要な視点です。附属坂出小学校教員と大学教員との協働で、この視点から実践研究を深めていくことの大きな意味と可能性を再実感することになった合同研究集会でした。
                                      
   
(文責 山岸 知幸)
   

<< Home