<20101020>
 
第77回国立大学教育実践研究関連センター協議会へ参加
三重大学で標記総会と部門研究会が行われ、本センターから3名の専任教員が参加しました。今後のセンターの果たすべき役割、また抱えている課題について、全国の国立大学教育実践総合センターとの情報交換を行いました。
 
 
 平成22年9月17日(金)、三重大学を会場に、第77回国立大学教育実践研究関連センター協議会が開催されました。総会では、まず、園屋高志 協議会会長(鹿児島大学)より、開会挨拶がありました。「昨年から今年にかけ、愛知大学、秋田大学…等において、センター組織改編が続いており、センターとして取り扱われている業務内容も拡がる傾向にある。この協議会として何をすべきかが、この協議会での課題ではないか」との提言がなされました。これに続き、平成21年度会計収支報告などがなされ、異論なく承認されました。
 
  その後、協議会規約変更について審議がなされました。協議会会長の挨拶にも述べられたように、これまで全国各大学で“実践センター”という共通した名称で設置されていたものが、近年のセンター組織再編の動向により、「“実践センター”という名称が含まれなくなったから」との理由で退会の申し出が続いているとのこと、加えて各大学のセンター機関に従来よりも幅広い分野・組織・業務内容が求められていることから、それに対応した協議会規約に改正すべきとして、今回の規約変更審議となりました。この審議を経て、例えばセンター協議会に参加するセンター組織が取り扱う研究領域の定義に関する規約として、従来「教育実践・臨床教育研究および教育工学」であったところが「授業実践、教育臨床、教育工学、教員養成、教員研修等」と変更されるなど、ここ数年における各大学センター組織の改編動向に併せた協議会規約に変更されることが承認されました。
 
   休憩をはさんで、NPO法人 パンゲア理事長 森由美子氏より、「多文化共生の時代におけるICT児童国際交流 〜三重大・京大・マレーシアサラワク大学事例紹介〜」と題し、ご講演をいただきました。森氏は、絵文字を使い日本と世界の子どもたちが交流できるような仕組み(ネットワークソフトウェア等)を開発し、NPOとして交流実践を企画・実践されている方です。中学で教科としての英語を学び始める前の小学生を中心とした子どもたちが、言語以外の「絵」「絵文字」「ボディーランゲージ」を使ったコミュニケーションや「ゲーム」などの交流アクティビティを重ねることによって、例えば「外国にも同じような考えや思いをもっている友だちがいる」という思いや、外国にいる友だちに対する思いやりの心をもつ子どもたちが増えてきたとの実践成果などが紹介されました。
 
  午後からの全体会では、「横浜国立大学教育人間科学部附属教育デザインセンターの開設について」と題して、同センター長 高木展郎氏よりデザインセンター開設のねらいや組織などについて報告がなされました。その報告を受け、各大学センターの現状や将来計画などについて、各大学より報告・情報交換を行いました。協議会規約変更に関する審議においても取り上げられた「各大学のセンター組織改編」とともに、情報交換によって、全学の教員養成業務・教職大学院に関わる業務・現職教員の再教育に関わる業務など、センターに求められる業務内容が各大学ごとに多岐にわたることが見えてきました。 
 
 (文責:松下幸司) 
 

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