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[ 98/7/15]


● PowerMacintosh G3 :内蔵 Zip からの起動

TIL: 22216 : Power Macintosh G3: Starting Up From ZIP Cartridges

PowerMacintosh G3 Revision II ( Mac OS 8.1 がインストールされて出荷されているモデル.付属 CD-ROM が青い色)では Zip ドライブが ATA となっている.そのため,ドライバについて ATA , SCSI 両方に対応した Iomega 6.0 以降が必要である.ただし,ドライバを対応させても Zip からの起動はできない.

ATA バスに関して同一バスに CD-ROM をマスターとして Zip はスレーブとなっている.スレーブは仕様上起動ディスクとすることはできないからである. CD-ROM とマスタースレーブを交換するとできるだろうが,その場合は, CD-ROM からの起動ができなくなる.ハードディスクに接続されている ATA バスは別のバスであるが,こちらに Zip をマスター接続するためにはハードディスクをスレーブにしなければならず,ハードディスクからの起動ができなくなる.

追記:
HONDA 氏から Revision II ボードについて付属システム CD-ROM の色は白のものがあるとご指摘いただいた.上記 TIL で書かれている事態は日本ではあてはまらないようだ. HONDA 氏もお書きになっているが,確実な方法は Apple システム・プロフィールで「情報」メニューの「装置」を選択して ATA バスを確認することである. HONDA 氏によれば, CD-ROMが二重に現れるものが Revision II である.( Revision「 II 」の表記は TIL に従っている.)マザーボードでは ATI のビデオチップが「Rage Pro」のもの.以前のバージョンは「Rage II+」である.


● PowerMacintosh G3 :モニタ画像

MacInTouch の G3 Macs Special Report: Dim Video にパーソナリティカードを外すことで,モニタ画像が鮮明になったという投稿が複数載っている. G3 デスクトップではモニタ画像出力が不鮮明で薄いとクレームがあった.

追記:
西野氏から確かに効果があるとお教えいただいた.(三菱 Diamondtron RD17G III )ただし,サウンドは使えなくなり,縦線が鮮明になる代わりに文字の縦線も(ぼけないために)細くなりテキスト画面が白っぽく見えるそうである.


● Apple Studio ディスプレイ:モノクロモード非対応

TIL: 30585 : Apple Studio Display: No Black and White Video Support

Apple Studio ディスプレイはカラーのみ対応で,白黒モードには対応していない.


● PowerBook :スリープ中の ADB ケーブルの着脱

PowerBook でスリープ中に ADB 機器のケーブルを着脱できる.


● 日付 & 時刻が元に戻ってしまう

バックアップバッテリは十分電圧があるのに Macintosh を再起動するたびに日付と時間が元に戻ってしまう.このような場合,日付 & 時刻初期設定が損傷していることがある.日付 & 時刻初期設定を捨てて再起動することで改善されることがある.

PowerBook の場合はバックアップバッテリの電圧を調べるといってもおいそれとはできない. PowerBook の場合は電源アダブタを接続して丸一日から二日程度放置しておくことでバックアップバッテリに充電され 日付 & 時刻がリセットされることが改善されることがある.


●よもやま: AutoStart の分類?ほか

昨日の「トロイの木馬: StuffIt Deluxe 4.6 Update 」記事でこのファイルのインストーラを起動すると破壊的なプログラムが起動するという内容を書き加えた.ところで, AutoStart 9805 はまだまだ注意が必要で,なかなか下火にはならないようだ.

ウイルスの定義ではトロイの木馬はウイルスとはしない考え方がある.ウイルスは自己の複製を作るプログラムが内包され自動起動するのに対して,トロイの木馬は自身では起動できない.そのため,ユーザなどに起動させるようにアプリケーションのような装いをしている. StuffIt Deluxe 4.6 Update もインストーラを装ってユーザに起動させるのである.

AutoStart 9805 は当初トロイの木馬と言われた.これは QuickTime の自動再生機能を使用してプログラムを起動させる仕組みを持っていたためと考えられる.ユーザに起動させる代わりにコンピュータの自動起動プログラムを引き金に使ったわけである.

ところが, AutoStart 9805 は起動すると自己の複製を機能拡張フォルダに作る.これはトロイの木馬のもう一つの特徴とは一致しない.

ウイルスもトロイの木馬も一致する特徴がある.ユーザに予期しない現象をコンピュータにもたらす点である.これに対してワームという分類があり,ワームは自己の複製を作るが他には何もしないというように私は理解している.

AutoStart 9805 は自己複製を作ることがはっきりしてトロイの木馬という言い方をしなくなったが,次にワームと呼ばれた.この時期には AutoStart 9805 は実害がないと思われていたのでそのように分類されたのではなかろうか.ところが,すぐに実害(それも甚大な)があることが分かった.

このように見てみると, AutoStart 9805 はこれまでの分類に収まりきれない独自の特徴をもったウイルス(といっていいかどうか?)であることが分かる.

ウイルスにまつわる環境はいろいろと変わってきている.スクリプトレベルでの新しい種類つまりマクロウイルスの発生とネットワークによる感染ファイルの広範囲な配布などの事態である.このような事態を踏まえてウイルス対処法も変わらなくてはならないと思って作ったページが「 Macintosh のコンピュータウイルス」であった.そのように考えると,ネットワークのネガティブな側面が強調されるが,今回感じたのはそれとは逆の面である.

AutoStart 9805 はまだ蔓延しているようだし,破壊的な影響を受けたユーザもいる.しかし,一方で事前にこのウイルスのことを知り,予防法を講じていたために被害を被らなかった多くの方々がいる.もちろん,私のサイトでこの情報を入手されていた方々と私のページを知らないでもそれらの方々から予防法をお聞きになっていた方々である.私のページの情報はネット上で紹介されたり,メールでやりとりされ,短期間のうちに多くの方に知らされた.私はこうした方々からたくさんの感謝のメールをいただいている.

今回はたまたま私のページがお役に立っただけなのだが,インターネットがなかった場合, AutoStart 9805 がどうなったか考えるとぞっとさせられるものがある. AutoStart 9805 は主に出力センターなどからのディスクを介した伝染であった.従って,ネットと AutoStart 9805 の伝染速度との関連はあまりない.それに対して,もしもインターネットがなく,また私のもののようなページもなかったなら, AutoStart 9805 の存在,予防法,除去法の情報が雑誌などで紹介されるまでには今回の事態とは比べものにならないような被害が起きていたのではなかろうか.かく言う私も感染し原因も分からずおろおろしていただけかも知れない.

私はネットで多くの知識を得た.その一部でも恩返しするためにこのようなページを開いている.そのような振るまいはインターネットでは当然の事であったのだが,最近ある種のユーザの増加とそのためのモラルの低下などネットのネガティブな点ばかり目につくような気がしていた.しかし,今回の AutoStart 9805 の阻止については,ネットのポジティブな点を今一度認識したように思っている.

最後になるが,私のページで発表したファイル検索による検知と Finder 属性を変更して捨てるだけという AutoStart 9805 への対処法は,私自身感染していない状況で私がその時点で入手していた情報から推論した方法であった.かなりの自信を持って発表したものであるが,今から考えると薄氷ものであったかも知れない.私の考え出した対処法が間違っていた場合を想像するのもいやである.かといって,私がそれらの方法を失敗を恐れて書かなかった場合どうなっていたかも想像したくない.

また,その時点で私は AutoStart が最近になく感染が広まると確信めいたものを感じていた一方で,これほど蔓延するとも予想していなかった.そのため,私のウイルス告知をむやみにネット上で流さないように書いたのである.それがよかったかどうかいまだに私はよく判らない.

もっと言うならば,私のページの影響力が私の知らない別世界で起きていることのように私の手に負えないものになっていっているのではなかろうか.私はそのような重責に堪えられる能力を持ち合わせてはいない.私のページに過度の期待をいただいても私はお応えすることもできないのである.


(C) Akiyama Satoru



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