時間操作を行い,自分の家族の課題を解決できると考えはじめた児童がほとんどであった。そんな中で父の
帰りが遅くサマータイムの効果がないと嘆くA児。また,自分の時間を操作して解決はできたが,サマータイム
導入にならなくてもできると気付き始めたB児。
そこで,「サマータイムで家族の生活は変わるか」という討論になった。結局時間の使い方については,今
現在でも実行しようとすればできることに気付いていった。変わらないと考えた児童たちに夕方の日照時間を
有効に使ったC児の解決策を紹介することによって,社会の制度等の変化によりよく対応していく子どもの態
度の育成を願った。
また,A児の家族の解決策をみんなで考える場をとることによって,心のつながりは,時間という量的なことだ
けでなく,質的なふれあいによって,心のつながりができるということに気付かせようとした。今,自分の家族は
A児の家庭とはスタイルが違っても,これから先,変化してそうなるかもしれないという家族のよりよい解決策を
共に考えることは,将来問題が生じた場合の解決を様々な方向から考えていくことができる力も培うことがで
きると考えたからである。
そして,はじめ考えた時間操作に修正をかけて,家族に働きかけていく発信の場を設けた。メッセージを添え
て,自分の思いを伝えたのである。
そして,実践していこうという意欲は益々高まっていった。そして,家族のために,心ふれあえる会食をしたい
という願いは,「家族ミニパ-ティ」の調理実習へとつながっていった。 |