例えば、総合学習で子どもを育てることが各教科の学力の充実につながるとして、各教科の基礎学力を充実していくために3つのことをあげられました。
1 豊かな体験
2 学級の中の子どもたちの暖かい仲間意識
3 教師への信頼感
ここでも、例えば、2についてそれがそのクラスに育っているかどうかを判断するために、苦手な子どもが卑屈になっていないか、安心して自分が努力している姿を表現できるか、体育などの授業をみるとよくわかるということなど、具体的な視点をあげて説明されました。
また、総合学習の指導支援のポイントとして以下のことを述べられました。
1 (あたかも)自分たちの力で学習活動を進めている意識を持たせる
2 支援とはうまく子どもたちを困らせること
3 なにかをやり遂げるという形で課題を設定する
4 いい大人との出会い・かかわり
5 課題づくりや追究で行き詰まっている子どもへの支援
例えば、5について、行き詰っているその子のやっていることの延長上でその子の力でやり遂げられる課題を教師は用意してやること、つまり、「自分も結構いいことやり遂げられたな」と思えるような、自分を主人公とした学びの物語を編んでいき、自分の成長・有能感を感じ取れるような支援をすることが大切であることを述べられました。
講演後参加された先生方と非常に熱のこもった質疑応答が展開されました。また、終了後のアンケートでは9割を超える参加者の方に講演について大変満足・満足であるという評価と、次のような感想をいただきました。
・具体例をあげていただき、総合学習で育てる子どもの学力が理解できた。
・総合的な学習の時間の持つ重要性がよく理解できた、子どもたちが、必然的に課題
を追究していけるような支援が大切であることを痛感した。
・具体的な例をあげてお話くださり、普段の授業を想定しながら聞くことができた。
総合的学習と教科、心の教育、地域学習とのかかわりがとてもよく分かった。
・「いい大人との出会いは、大人になることへの夢を育てる」いい言葉をもらった。
総合学習で実践していきたい。
・総合学習の教育課程の位置づけ、核であることが再確認できた。指導する側の教育に対する想像力が大切であることがよく分かった。
・次年度より週5日制が始まり、ウイークデイは今以上に忙しさが増すため、休日と
なる土曜日にこのような行事があることは大変よい。公務という感じではなく、自主
研修という目的でこのような講演会を受け止めたい。
以上のように、今回の講演会も参加者の先生方のご好評を得ることができました。今後実施してほしい講演会のテーマとして、総合的学習とともに、「授業づくり」、「LD及びその周辺児」、「社会的スキル訓練」などへの要望が多くあげられていました。その他いただいたご意見をもとにして、来年度の公開講演会をさらに充実したものにしていきたいと考えております。
第60回 国立大学大学教育実践研究関連センター協議会 報告
平成14年2月12日(火)に東京学芸大学を会場校として、標記協議会総会が当大学総合メディア教育館にて下記の要領で実施されました。本教育実践総合センターからは、湯浅センター長と松下、七篠、田上、宮前の専任教官4名全員が参加しました。
開 会 開会のあいさつ 近藤 勲 国立大学教育実践研究センター協議会会長
来賓あいさつ 石井 稔 文部科学省高等教育局専門教育課教育大学室長
会場校あいさつ 岡本靖正 東京学芸大学学長
報 告 前回議事要旨の確認(事務局)
「2002年度アジア・太平洋教育工学東京セミナー/ワークショップ」について(国 際協力担当幹事)
質 疑 平成13年度決算中間報告および平成14年度予算案
討論1 本センター協議会運営のあり方
討論2 在り方懇答申を受けての各教員養成大学学部の現状とセンターの将来計画事業プ ロジェクト報告
(1)部門プロジェクト 1 教育臨床部門
2 教育実践・教師教育部門
3 教育工学・情報教育部門
(2)遠隔教育特別プロジェクト
(3)情報教育特別研究プロジェクト
開会の来賓あいさつの中で文部科学省の石井教育大学室長は、教員養成大学・学部再編へ向けた枠組みや現状とともに、それに伴うセンターの位置づけの問題について触れられました。
また、討論については、討論1で、センター協議会の開催方法と年報について、討論2の中で、来年度から総合センターとして改組されるセンター(横浜国立大学・高知大学・宮崎大学・鹿児島大学・佐賀大学)からの挨拶・報告と、教員養成大学・学部の再編統合に関する情報交換ならびに、それにも関連した各センターの取り組みや現状についての報告がなされました。
教員養成大学・学部の再編統合に関しては、どちらもまだはっきりとした方向性を見出すことができていないようですが、各センターの取り組みに関しては、例えば、兵庫教育大学では、3部門7分野へ改組し、専任教官9名・兼任教官7名・協力教官14名に増員する等、いくつかのセンターから兼任教官や協力教官、客員教員の大幅な増員を図っていることなども報告され、多くのセンターが附属学校園や地域との連携についての取り組みとその重要性について言及されました。
事業プロジェクト報告では、部門プロジェクトでそれぞれの計画・実施されている取り組みについて、遠隔教育特別プロジェクトでは、平成14年度のSCSを利用した講義(教育工学特講・教育臨床)の実施計画について、情報教育特別研究プロジェクトでは、「小中学校の情報教育カリキュラム」、「教員養成における情報教育」「教育情報化推進リーダーを育成するための現職教員研修」、「教育実習の情報化」、「学校図書館司書教諭の情報化」、「高等学校教科『情報』に関する教員研修・教員養成」の計7本のプロジェクト計画について報告がなされました。
香川大学教育学部と本センターのこれからの方向性や在り方についてもいろいろな視点から考えさせれる総会でした。次回61回大会は、上越教育大学を会場校として11月5日(金)に開催される予定です。
・親教育の重要性、学校、学校区を含めた教育の 意義を再確認する必要性を感じた。子どもの未 来のための教育とは、具体的にどうあるべきな のかを考えたい。 ・研究機関ではたくさん、いいもの、新しい物が 研究されていても、現場はやっぱり「学校」。 講演という一時的なものでなく、継続的な交流、 相互研究が必要だと思った。システム化するべ きだと思う。 ・諸外国の教育事情についての話を聞けるのは 非常に興味深い。次回は授業カリキュラムに 視点をあてて話をきいてみたいと感じた。 |
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【寄贈図書一覧 (02/2〜02/3)】
ニュースレター 第5号 メディア教育開発センター
特定領域研究A「高等教育改革とメディア」
メディア教育開発センター
教育実践総合センターニュース bR 宇都宮大学教育実践総合センター
教育実践総合センター概要 福島大学教育実践総合センター
教育実践研究 第16号 高知大学教育実践研究指導センター
教育実践研究 第26号 福井大学教育実践総合センター
NEWSLETTER 第2号 福井大学教育実践総合センター
教育実践総合センター紀要 第2号 北海道教育大学教育実践総合センター
平成13年度フレンドシップ事業報告書 上越教育大学学校教育総合研究センター
平成13年度フレンドシップ事業「学びのひろば」活動報告書
上越教育大学学校教育総合研究センター
教育実践総合センター紀要 第2巻 岡山大学教育実践総合センター
【センター活動報告 (02/2〜02/3)】
2月7・8日 │附属高松小学校研究発表会
2月 9 日(土) │第2回センター公開講演会
2月12日(火) │国立大学教育実践研究関連センター協議会
2月14日(木) │教員養成モデル・カリキュラム研究開発プロジェクト
2月27日(水) │第3回管理委員会
3月 2 日(土) │第2回センター講座
3月13日(水) │教員養成モデル・カリキュラム研究開発プロジェクト
3月18日(月) │第4回管理委員会
3月19日(火) │マルチメディア研究会
3月20日(水) │第3回教育実践・臨床研究フォーラム
3月25日(月) │教員養成モデル・カリキュラム研究開発プロジェクト
【センターからのお知らせ】
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│ 教育実践総合研究第5号原稿募集 │
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『香川大学教育実践総合研究』第5号は、5月31日(金)原稿受付締め切りです。奮ってご投稿されるのをお待ちしております。
なお、投稿予定者は、あらかじめセンター事務室までお申し込みください。
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│ 貸出物品・備品について │
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今年度、以下の物品を新たに購入しました。使用ご希望の方は事務室まで。
・デジタルビデオカメラ(SONY DCR−TRV50)
・ノートパソコン(NEC PC−LL750/2D)
・HDD&DVDビデオレコーダー(TOSHIBA RD−X1)
・DVD−R/RWライター(SONY DVR−S303)