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《附属幼稚園研究発表会 報告》
平成13年11月2日
研究主題
幼児期の学びについて考える
〜幼小の学びの連続性を考えた教育課程の再編〜
すがすがしい秋晴れのもと、県内外から320名あまりの参会者をお迎えして研究発表会を行うことが出来ました。大学の先生方、県、市の教育委員会の関係の方々には、大変お世話になりました。多くのご指導・ご助言をいただいたことを、心より感謝しておりま
す。
さて今年度は、昨年度まで3年間にわたって提案してきた3つの関係づくり(人との関係づくり・ものやこととの関係づくり・自分との関係づくり)の研究の成果をもとに、教育課程の再編に取り組みました。まず、本園の教育目標を3つの関係づくりから見直し、整理し直したものが今回提案しました教育課程です。教育課程に添って実践を重ねることによって、本園の教育目標が達成できると考えました。
また、これまで事例研究を積み重ね、反省的考察を継続したことにより、3つの観点ごとの発達過程を明らかにすることができました。私たちは、このようにして作ってきた「学びの履歴」そのものを教育課程として捉えたのです。
さらに、文部科学省より開発研究指定を受け、幼小中一貫した教育の在り方について探っていることが、私たちに新たな視点を与えてくれました。つまり、これまで3年間という限られた教育について考えることが多かったのですが、長い学校教育のスタートとしての幼稚園教育の在り方について探ったり、小学校の教育内容との系統性について正面から考え直すことができました。幼小中連携することによって考えてきたことを、教育課程の中に反映し、それぞれの年齢にふさわしい生活や学びについて研究を進めることができま
した。
研究会当日は、公開保育の後、年齢別分科会を行い、各年齢の教育課程について具体的な子どもの姿・保育実践から提案しました。また、午後の全体提案に引き続いての全体討議会では、幼稚園・小学校の立場から話をしました。
今後は、3つの関係づくりで子どもたちの発達や学びを見取りながら、各年齢にふさわしい指導計画の編成に取り組みたいと思います。また、公開保育で提案した5歳児と小学生との「くらし(学習)」も継続して行い、お互いの教育課程についての見直しを図っていきたいと考えています。
第15回 日本教育大学協会・全国実習部門研究協議会 報告
平成13年10月12日(金)に山口大学教育学部を会場として標記の研究協議会が開催され、下記の8本の研究報告について協議がなされました。
(1) 教育実習生による英語授業の「リズム」分析 …大分大学 柳井智彦
(2) 学校教育教員養成課程学生の小中学校交差連続教育実習について
−実施後の実習生・附属教官アンケート調査をもとにして−
…琉球大学 藤原幸男 津田正之
(3) 外国人子女教育と教員養成−フレンドシップ事業による模索−
…群馬大学 所澤 潤
(4) 教育実習新カリキュラムの実施にともなう問題点と課題
−実習生と附属校園教官を対象としたアンケート調査の分析から−
…香川大学 田上 哲 長谷川順一
(5)「介護体験」施設との連携強化の試み
…鳴門教育大学 清水 茂
(6) 学生インタビューを通してみた幼稚園教育実習
…愛媛大学 深田昭三 青井倫子
(7) 山口大学教育学部における教育実習の現状と課題
…山口大学 岡村吉永
(8) 「教育実習に関する質問紙調査の試案」について …岡山大学 黒崎東洋郎
香川大学から長谷川順一先生(数学教育)と田上(教育実践総合センター)が下記の内容の研究報告を行いました。
「教育実習カリキュラムの改善に関する調査・研究」(『香川大学教育実践総合研究』第3号
2001)で報告された、平成11年度から平成12年度実施の「教育実習カリキュラムの改善に関する研究プロジェクト」の成果を踏まえて、教育実習に関して、3年次主免実習が大学教育における教師教育の完成段階に位置づけられないことから生じる問題や課題を整理するとともに、公立学校園における実習と附属学校園だからこそ可能な実習のあり方および実習生を受け入れる実習学校園の教師や子どもたちへの実習の影響などに関する課題を提示しました。なお、研究協議のあと、情報交換の時間が設けられ、教育実習にまつわる5つの問題(@実習経費 A実習生の受け入れ B学部教官の実習への関与 C教科教育的内容 D介護体験の位置づけ)について簡単な情報交換が行われました。
研究協議と情報交換を通じて、たとえ今後教員養成学部等の状況がどのようになったとしても、教員養成の中核として教育実習が重要であること、そしてその実習をいかに改善し充実したものしていくかという課題追究が必要であることには変わりがないことが再確認されたように思いました。
また、会場校の山口大学教育学部が作成された「教育実習の手引き」、本会事務局のある東京学芸大学教育学部附属教育実践総合センターが主催された「平成12年度教育実習に関するシンポジウム『基礎実習・応用実習・教員採用に関わる教育実践力の形成』」の報告書、および兵庫教育大学学校教育学部が作成された「小学校教育実習−実地教育V−教育の基本的な方法・技術の習得をめざして」(CD-ROM版)が参加各校へ配布されました。これらの資料は、それぞれの教員養成系大学・学部で教育実習を改善していく際の一つの手がかりであり、今後はこのような資料レベルでの情報交換も必要であると感じました。
これらの資料をはじめ、本協議会の研究報告の資料につきましては、教育実践総合センターで所蔵しています。関心がおありの方は、ご閲覧ください。 (文責:田上)
開設科目名 |
講師名 |
受講者(名) |
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香川 | 坂出 | 高知 | 鳥取 | 計 | ||
教育情報特論 |
松下 文夫 (香川大学) 村瀬康一郎(岐阜大学) 山岸 正明 (鳥取大学) |
24 |
21 |
9 |
9 |
63 |
教育臨床心理学特論 |
藤本 光孝 (香川大学) 宮前 義和 (香川大学) 戸田 有一 (鳥取大学) |
34 |
24 |
14 |
8 |
80 |
学校教育実践学特論 |
住野 好久 (岡山大学) 加藤 直樹 (岐阜大学) 林 徳治 (山口大学) |
43 |
26 |
17 |
13 |
99 |
・他県の現状などを始め、意見交換が可能で参考になった(香川会場)
・小・中・高の異校種間の情報交換ができ、日本の教育の方向性や世界状況が分かる(香川会場)
・双方向性で質疑応答、ディスカッションができることが魅力(坂出会場)
・遠く離れた会場での授業を臨場感を感じながら学習できた(高知会場)
・全国的な先生方のお話が居ながらにして聞け、会話できてよかった(高知会場) ・近くの会場で受講することで、多数が受講でき、意見交換ができてよかった(鳥取会場) ・他校との統一テーマによるパネルディスカッション・ディベート・情報交換等の交流などに役立てたい(香川会場) ・遠隔地の生徒と協力してフィールドワークを行うなど、自校ではできない事例の調査活動の展開に、生かしたい(香川会場) ・遠隔の学校と教職員研修、模擬授業、学級単位での交流、専門家への生徒からの質問や職場体験学習に生かしたい(高知会場) |
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日 時 | 内 容 | 備 考 |
11月14日(水) 14:30〜16:50 於:教授法演習室 |
オリエンテーション・講義 @今、学校現場は―学校現場は荒れているのか、その実態にせまる― A演習課題の設定 |
苦慮している学校現場の実態から、その対処方法を、いろいろなケースで考察(実際に起こる問題行動のケースの対応等を演習する。) |
11月15日(木) 14:30〜16:50 於:311 |
講義・演習1 新しい荒れに対応する教師の在り方 @なぜ児童生徒はこういった行動を起こすのか Aどう解決するのか |
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11月20日(火) 14:30〜16:50 於:311 |
講義・演習2 新しい荒れに対応する教師の在り方 @なぜ児童生徒はこういった行動を起こすのか Aどう解決するのか |
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11月21日(水) 14:30〜16:50 於:教授法演習室 |
講義・演習3 児童生徒への対応 @教育実習等で児童生徒との対応から発生した悩みを考える Aこれからの教師に望むこと (教育実習事後指導と同時開催) |
これから現場に出る学生の悩みを解決することをテーマとする。また、生徒指導とは何かその実態を明らかにする。 |
教育実践総合センター研究紀要第5集、教育問題公開シンポジウム不登校問題とネットワークによる支援 不登校児童生徒および教育関係者支援のための電子メール相談の開発と効果に関する研究 千葉大学教育実践研究 第8号 平成12年度フレンドシップ事業滋賀大学「子どもふれあい教室」「子どもチャレンジ教室」実施報告書 パイデイア Vol.9 2001、教育実践総合センターニュース No.16 教育実践研究指導センター紀要 No.18 教育実践総合センターだより No.1 平成12年度静岡大学教育学部フレンドシップ事業報告書 教育実践研究紀要 第40号、しのぶそう No.11 教育実践研究 第12号 教職課程研究センター年報 第15号 教育実践総合センター紀要 No.19 カリキュラム研究 第10号 教育実践総合センター紀要 No.11 教育実践総合センター要覧,教育実践総合センター紀要 第24号 実践センターニュース 第27号 IMETS bP41〜142 平成12年度宇都宮大学「フレンドシップ事業」実施報告書 教育における臨床の学 第2号、第3号 教育臨床ノートNo.6「スクールカウンセリング研究フォーラム」 生徒指導研究 第12号 教育実践センターだより 第9号 教育実践研究指導センター紀要 第17号 教育実践研究 No.2 教育実践総合センターニュース No.2 |
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