香川県の海陸風について
まとめ
 香川県全域28地点における海陸風と気圧場との関係について,気圧場から計算される地衡風との関係に着目して調べた。海陸風の発生しやすい気象条件の場合,多くの地点で日中の海風には2方向の卓越風向が見られた。
 2方向の海風の卓越風向のうち,1方向は香川県全域で共通しており,西よりの卓越風である。また,別の1方向は,坂出市の五色台を境に西側の地域では北または北西の風となり,東側の地域では北東または東の風となる傾向が明らかになった。
 海風の型と海面気圧場から計算される地衡風との間には関係があり,東北東〜西南西の線を境に地衡風の風向が北半円の北東〜西南西8方位にある時は,西よりの海風が卓越し,南半円の南西〜東北東8方位にある時は,北または東よりの海風が卓越する傾向がある。
 高松地方気象台周辺から海岸線にかけての地域では,日中の風は3 方向の卓越風向が見られた。3方向(西,北,東)の卓越風向のうちどの方向になるかは,地衡風向を東北東〜西南西と北北西〜南南東の線で4象限に分けたうち,地衡風向がどの象限にあるかによって決まる。
1
2
3
4