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教育研究Educational Research

現在の研究

令和5年度の研究活動

研究主題

自らを高め続け,新たな時代に向けて責任をもち行動する人間の育成
―知性と省察性を育む,新領域「MIRAI」を通して―

本研究の方向性

本校では、全教育研究の実践を通して次の1と2で示した人間(目指す生徒像)、つまり自らを高め続け、新たな時代に向けて責任をもち行動する人間の育成を目指す。

  1. 主体的かつ自律的に考え、判断し、行動すること、及び、多様性を認め尊重し、持続可能な社会の一員として生きることを、調和的に達成する人間
  2. 過去から連なる現在をよりよく生きること、及び、予測困難な未来においてよりよい社会を創造することを、調和的に達成する人間

そのような人間に備わっている知性(「答えのない問い」に対して、その問いを問い続け、考え、判断する能力)と、省察性(多様な他者や社会との関係の中で、「なぜそうなのか」「本当にこれでよいのか」「何があるべき姿なのか」を考え、自己の生き方・在り方を問い直して調整していこうとするその人の態度や性質)を育むカリキュラムを開発する。そのために、各教科の知性に必要な資質や能力,態度を育む「教科学習」と、知性を発揮し伸ばすとともに、省察性を育む「MIRAI」を設置し、実践する。これらの実践を通して自らを高め続け、新たな時代に向けて責任をもち行動する人間の育成に資することができたかを実証的に研究する。

研究仮説

本校では、以下の3点を研究仮説としてカリキュラムの開発を進めた。

  • 知性と省察性を育むことを軸にしたカリキュラムを開発することで、自らを高め続け、新たな時代に向けて責任をもち行動する人間を育てることができる。
  • 教科学習において,「教科する教科学習」(教科ならではのおもしろさや魅力,その教科を学ぶ意義の実感につながる知のプロセスに参加する教科学習)のもと,各教科で研究主題を設定し,その実現に向けた方略を実施することで,知性に必要なその教科の資質や能力,態度を育むことができる。
  • MIARAIにおいて,「協働の学び」(同学年の仲間や多様な他者と協働で地域や社会に働きかける生徒主体のプロジェクト型の学習と,単元の節目や活動の中で自己の生き方・在り方を問い直し,調整する時間「省察の時間」を編成した学び)と,「個の学び」(生徒一人ひとりの自由で主体的な課題設定,調査,交流,探究,表現等を重視した学びと,その内容を異学年集団や外部の人たちと意見交換する場「ゼミ」を編成した学び)を実施することで,教科で育んだ知性に必要な資質や能力,態度を発揮し伸ばすとともに,省察性を育むことができる。

令和5年度各教科の主題 [PDF]

研究発表会のお知らせ

準備ができましたら、
重要なお知らせとしてご案内いたします

こちら

過去の研究

令和2~4年度の研究活動

令和3年度の研究活動

研究主題

精神的に自立した人間の育成
―「教科する教科学習」と「人間道徳」の実践を通して―

研究の概要

本校では、全教育研究の実践を通して次の1と2で示した精神的に自立した人間の育成を目指す。

  1. 主体的かつ自律的に考え、判断し、行動すること、及び、多様性を認め尊重し、持続可能な社会の一員として生きることを、調和的に達成する人間
  2. 過去から連なる現在をよりよく生きること、及び、予測困難な未来においてよりよい社会を創造することを、調和的に達成する人間

そして、そのような人間に備わっている教養を身に付け、省察性を高めるカリキュラムを開発する。そのために教養(世界を見つめ世界に関心をもち世界に働きかけ、自らを高め続ける姿勢)を身に付ける教科学習を実践する。それは各教科ならではのおもしろさや魅力、その教科を学ぶ意義の実感につながる知のプロセスに参加する教科学習である。同時に省察性(多様な他者や社会との関係の中で、「なぜそうなのか」「本当にこれでよいのか」「何があるべき姿なのか」を考え、自己の生き方・在り方を問い直して調整していこうとするその人の態度や性質)を高める新領域である人間道徳を設置し、実践する。これらの実践を通して精神的に自立した人間の育成に資することができたかを実証的に研究する。

研究仮説

  • 教養を身に付ける教科する教科学習と省察性を高める人間道徳を軸としたカリキュラムを開発することで、上記1、2に示した精神的に自立した人間を育てることができる。
  • 教科学習において、各教科ならではのおもしろさや魅力、その教科を学ぶ意義の実感につながる知のプロセスに参加する教科学習(以下、教科する 教科学習)を実現することによって、世界を見つめ世界に関心をもち世界に働きかけ、自らを高め続ける姿勢を身に付けた生徒を育てることができる。
  • 人間道徳において、様々なプロジェクトを生徒主体で実施し、多様な他者や社会との関係の中で、自己の生き方・在り方を問い直すことによって、省察性を高めることができる。

【研究の全体構想図】

研究の全体構想図

※上記の図をクリックするとPDFが開きます。

平成30年・令和元年度の研究活動

本校の研究が文部科学省のHPに掲載されました。
→→→ 文部科学省サイトを別ウインドウで開きます

研究の概要

本校は、平成27年度より4年間の文部科学省研究開発学校指定を受け、コミュニケーション能力、創造的思考力を育成するための新領域「創造表現活動」を教育課程に位置づけ、表現に関する教育の充実を目指した教育課程を開発しています。
(文部科学省研究開発学校指定 第4年次)

研究開発課題

これからの時代に必要な資質・能力「コミュニケーション能力」「創造的思考力」を育成するための新領域「創造表現活動」を設置し、表現に関する教育の充実を目指した教育課程の研究開発

研究の全体構想図

研究の全体構想図

資料

クリックするとPDFファイルが開きます。

平成30年度研究・・・研究総論(全24ページ)Q&A(全11ページ)
リーフレット・・・・・・研究の概要H29プラム単元紹介H29人間道徳単元紹介

平成28・29年度の研究活動

平成29年度の研究主題

未来を創造する学びの追究
豊かな表現と深い学びを育む教育課程の創造
~「コミュニケーション能力」「創造的思考力」を育成する新領域「創造表現活動」の開発~
(文部科学省研究開発学校指定 第3年次)

研究の概要

これからの時代に必要な資質・能力のうちコミュニケーション能力、創造的思考力に焦点をあて、それらを重点的に育成するために、新領域「創造表現活動」を教育課程に位置付ける。価値観や文化の異なる他者との対話において必要なコミュニケーション能力、よりよい社会の形成に向け価値を更新し続けるために必要な創造的思考力、これら2つの資質・能力を育むための創造表現活動を設置する。創造表現活動設置の意義を踏まえ、教科学習については、教科の本質に向かう深い学びを実現することを目指す。各教科を学ぶ意義や教科の学びと実社会とのつながりを実感する教科学習を追求する。創造表現活動を新設した教育課程を開発し、その効果を検証する。

具体的に、次の3点を重視し、教育課程を開発する。

  • コミュニケーション能力、創造的思考力を育成するために、創造表現活動に「プラム」と「人間道徳」の2つの小領域を設定する。プラムでは、相手意識をもったよりよい表現ができるようになることを目指す。人間道徳では、自己の生き方・在り方を問い直し、価値の更新※1を行うことを目指す。
  • 創造表現活動を通して、コミュニケーション能力、創造的思考力を育むことを踏まえ、プラム、人間道徳の目標、内容等を設定する。また、創造表現活動独自の評価の観点を設定し、指導の充実を図り、各小領域の目標の実現を目指す。
  • 教科の本質に向かう深い学びを実現する教科学習を行う。各教科を学ぶ意義や教科の学びと実社会とのつながりを実感することができるようにするために、各教科の目指す生徒像、各教科特有の授業デザインを設定し、教科学習の充実を目指す。

本校の教育課程
【本校の教育課程】

※1 本校では「価値の更新」を、ヒト、モノ、コトの新たなよさに気付いたり、多面的・多角的に捉え直したりできるようになることと捉える。

平成28年度の研究主題

これからの時代に必要な資質・能力「コミュニケーション能力」「創造的思考力」を育成するための新領域「創造表現活動」を設置し、表現に関する教育の充実を目指した教育課程の研究開発
(文部科学省研究開発学校指定 第2年次)

研究の概要

1 研究の目的

表現を重視した学習を行う新領域「創造表現活動」を創設し、教科で扱う表現活動や創造的な活動とも関連させた教育課程を構築する。創造表現活動を中心とする学習を通して、他者との関わりの中で自己の生き方や在り方を振り返り、自らの知や価値観を更新するなど、これからの多文化共生の時代を生き抜くことができる学習者の育成を目指す。

教育課程
平成28年度の教育課程

2 創造表現活動の目標

自己の表出を重視した学習を通して、多様な価値観をもつ他者と協働するために必要なコミュニケーション能力と、自己の生き方や在り方を振り返り、自らの知や価値を更新し続ける創造的思考力を育成し、よりよい集団・社会の形成に貢献しようとする意欲と態度を養う。

プラム
これからの社会を生きる上で必要な内容や、各教科と関連した学習内容等を扱い、表現の必然性を備えた学習過程の中で、表現→修正→表現→修正を繰り返し、試行錯誤や成功または失敗経験をしながら、相手意識をもったよりよい表現ができるようになることを目指す。
人間道徳
学年あるいは学校が一つの大きな目標に向かってチームを編成し、そのビジョンに向かってチームで協働したり、学校外の他者(地域、環境を含む)との関わりの中でプロジェクトを実施したりすることを通して、自他の関わりから新たな価値を創造できる学習を展開する。

平成26・27年度の研究活動

平成27年度の研究主題

未来を創造する学びの追究
学びの連続性で一人の学習者を育てる教育課程の創造
~考え抜く生徒が授業を変える~

平成26年度の研究主題

学びの連続性で一人の学習者を育てる教育課程の創造
~考え抜く生徒が授業を変える~

研究の概要

これからの時代の変化に対応するために必要な資質・能力として「考え抜く力」をすべての教科で育成し、総合的な学習「未来志向科」の探究型の学習につながる教育課程を編成した。今年度は、生徒の「考え抜く力」を育成するために、教科特有の「学び方」を習得させること、課題意識を持続させる「学習意欲(動機付け)」の向上を図ること、戦略的に編成された「チーム活動」を設定すること、の3つの視点を教科に応じて焦点化し、授業実践を行った。カリキュラム評価によって、研究の方向性を見直しつつ、個や集団で試行錯誤を繰り返しながら、知識や技能をよりよく活用できる生徒の育成を目指した。

平成25年度の研究活動

平成25年度の研究主題

総合的な学習「未来志向科」を生かした教育課程の実践的研究
平成22年未来志向科資料(PDF)
~教科学習の深化・拡充とトピック的学習~

研究の概要

本校のこれまでの研究を踏襲しつつ、総合的な学習「未来志向科」を教育課程の中心に据えて、教科学習との有機的な関連を図った。今年度は、研究発表会を開催し、未来志向科及び各教科の授業を公開した。未来志向科で身に付ける力をいくつかの要素にまとめ、教科学習に生かすことで教科の本質にふれる「教科学習の深化・拡充」と未来志向科の3つの側面を包括したトピック「知恵」を各教科で捉え直して教科の特性が表れる「トピック的学習」の二つの提案で教科学習の在り方や一人の学習者を育成する教育課程について研究を深めた。
研究発表会後はカリキュラム評価を行い、新しいトピック「形」で「トピック的学習」を実践し、一人の学習者の変容をもとに授業討議を行った。また、教員間の座談会で議論し、未来志向科の運用の仕方や各領域の単元の学習内容について見直しを図った。

教育課程
平成24年度からの教育課程

研究の方針・経緯

研究の方針

研究活動に関する本校の伝統的思想は、教育実践そのものの場から研究課題を発見し、問題解決を通して、知見を求め、⼀般化理論化を図り、再び実践活動への帰環を図るところにある。

研究の経緯

第1期(昭和22年~29年)
----新制中等教育の黎明期----

現実的には生活主義教育の実践の中から、カリキュラム開発に主眼がおかれた。

  • 昭和24年 カリキュラム研究会
  • 昭和27年 合同研究発表会 中学校教育運営の諸問題(坂出会場)
  • 昭和28年 合同研究発表会 中学校における各教科の重要課題(高松会場)
  • 昭和29年 合同研究発表会 学習指導内容の充実と学習指導法の改善(高松会場)

第2期(昭和30年~39年)
----科学的・効果的な学習指導法の追求----

「科学的な学習指導法の研究」に中心がおかれ、その間附属坂出中学校との共同研究も活発に行われた。

  • 昭和30年 合同研究発表会 学習内容に即応する学習指導方法の改善(坂出会場)
  • 昭和31年 合同研究発表会 如何にして思考力を養成するか。如何にして基礎学力・基礎能力を養成するか。(高松会場)
  • 昭和32年 合同研究発表会 学習指導法を合理化し、能率を上げるための対策(坂出会場)
  • 昭和33年 合同研究発表会 学習指導の合理化と能率化(高松会場)
  • 昭和34年 合同研究発表会 学習意識の尊重と学習指導の合理的展開(坂出会場)
  • 昭和35年 合同研究発表会 科学的学習指導の研究(高松会場)
  • 昭和36年 合同研究発表会 科学的学習指導の研究(坂出会場)
  • 昭和37年 合同研究発表会 科学的学習指導の研究(高松会場)
  • 昭和38年 合同研究発表会 科学的学習指導の研究(坂出会場)

第3期(昭和40年~51年)
----教育の近代化----

パイロット・プロジェクトとして「コンピュータをベースとする教育システム」の開発が行われたが国の教育における、コンピュータ利用の先鞭をつけた。
最終段階では、教育工学的手法を駆使した「多目的総合教育システム」の開発に成功した。

  • 昭和40年度 この年の9月、「半自動教育システムの理論と実際」をテーマに、第1回全日本教育工学研究発表大会が、本校主催のもとに開かれた。
  • 昭和44年度 「教育の機械化」をテーマに第2回全日本教育工学研究発表大会を開催。
  • 昭和45年度 ミニコンピュータNEAC-M4を導入し、CAIシステムの開発に着手し、そのソフトウェアの開発を行った。
  • 昭和48年度 「教授・学習過程の最適化をはかるには、どのようにすればよいか」をテーマに研究発表大会を開催した。

第4期(昭和52年~平成6年)
----教育の人間化----

多目的総合教育システムをベースにしながら、個人別、グループ別研究に重点がうつし、研究成果の多様化・客観化をはかり、創造性のある開かれた学校の総合的開発を企画した。

  • 昭和52年度 生徒ひとりひとりの学習の成立をめざしたデータの収集とその活用
  • 昭和54年度 教育の基本課題に関する基礎的検討(1)
  • 昭和56年度 教育の基本課題に関する基礎的検討(2)
  • 昭和58年度 教育の基本課題に関する基礎的検討(3)---個性化をめざす教育過程の展開---
  • 昭和60年度 主体制・国際性を軸とする個性化教育のあり方---セミナー実践を通して---
  • 昭和62年度 人間としての生き方を学ぶ教育過程の創造---人間セミナーを通して---
  • 平成元年度  人間関係を結びつつ人間性豊かなものの見方を学ぶ学習の展開---「知る」「考える」「交流する」ことの有機的組織化による---
  • 平成3年度 人間関係を結びつつ人間性豊かなものの見方を学ぶ学習の展開---体験的な活動をもとに考えを練り合わせる指導を通して---
  • 平成5年度 人間としての生き方を学ぶ教育過程の創造---人間関係を結びつつ人間性豊かなものの見方を学ぶ学習の展開---
  • 平成6年度 人間形成を目指した学習の在り方(文部省研究開発指定)
研究開発学校指定研究(平成3年~5年)

本校の総合教科としての「人間科」、選択教科としての「セミナー」は、古くは昭和52年度に始まる総合創作学習や、昭和56年度からの「セミナー」、生き方教育に視点を当てた昭和62年度からの「人間セミナー」と続くこれまでの研究の発展的内容として位置づけられる。すなわち、これまでの実践研究成果の積み上げの上に立ち、さらに問題点や課題の克服のため、研究開発学校として研究に取り組んだといえる。

研究主題

人間としての生き方を学ぶ教育課程の創造 人間関係を結びつつ人間性豊かなものの見方を学ぶ学習の展開 --人間科、セミナー、教科指導を通して--

実践の内容と成果
  • ア 新教科「人間科」での実践と成果 ?体験的な活動を導入した道徳教育の実践から  生徒を取り巻く現実社会に教材を求め、生き方教育に視点を当て場を設定し、体験を通した深い価値の内面化が出来た。 ?総合教科として位置づけられたことから生き方に関わる価値を発見したり追求したりするのは単独の教科や領域だけで出来るものではない。各教科の持つ科学的な認識を重視し、現実社会を取り巻く諸問題に対応していく能力を身につけさせ心情面の共感的理解に留まっていた従来の道徳から、より深い価値認識をさせることができた。
  • イ 選択教科「セミナー」での実践と成果 ?選択教科の拡大と学年ごとの下位目標の設定から  選択教科を全学年に設定し、学年の発達段階を配慮しながら、学年ごとに共通の下位目標を設定した取り組みにより、選択教科のねらいである「自ら主体的に学ぶ能力や態度」の育成がなされた。各学年での指導目標による教科配置から第1、第3学年には、教科内での発展性を意図した。また、第2学年では、表現能力に関わりのある教科を配置したため、段階的、系統的に学習方法を身につけさせることができた。
  • ウ 教科指導での実践と成果 ?体験的な活動の導入から学習への興味や関心を喚起し、学ぶ意欲を高め、生徒に多様な見方や考え方をさせ、事象の本質をとらえさせるための教材や課題の開発、設定が進められた。練り合わせる場を設定した指導から各教科において、得られた知識や考え方を他の情報と結びつけ、それを構造化、体系化し、新たな考えや価値を創造しようとする態度と能力が形成された。
  • エ 運営上の成果、研究組織を検討し、理論や評価、カリキュラム研究のためのプロジェクト班の組織や具体的運営における学年群での教官組織は実践研究へ強い自覚と連携を生み出した。

第5期(平成7年~平成13年)
----学びの最適化----

教育の人間化を目指した第4期の研究成果としての「人間科」「セミナー」と各教科について、それぞれの目標を達成するために学習内容・方法の最適な組み合わせを追求した。

  • ア 教科相互の学習内容の関連づけと編成 ?教科課程(教科館の関連、連動、統合)いかなる関連を持って教科内容を組織するか【relation】
  • イ 学びの過程に基づいた学習内容、方法の組織 ?教材化(理解、分析、精選、構造化)どのような方略のもとで教材を構成するか【strategy】
  • ウ 授業(授業形態、支援、指導スキル、メディア等)具体的にどのような仕方で働きかけるか【tactics】平成9年度研究大会では【思考力、判断力を育てる学習活動】をメインテーマに、生徒・教師・集団の3主体授業の在り方を求めた。
研究開発学校指定研究(平成10年~12年)

「自立」「共生」するために必要な資質・能力を育成するとことねらいとした総合教科「共生科」の創設と、教科の再編による「基礎教科群」の創出をもとに基礎教科と総合的な学習の交互作用的なカリキュラム構成を目指した。

研究主題

21世紀に求められる資質・能力の育成を目指して-- 教科改変と総合教科「共生科」による教育課程の開発 --

第6期の研究推進(平成14年~平成23年)
----教科改変・新教科設立による新しい教育課程の開発----

第5期の研究を受け、21世紀の中葉に活躍が期待される子どもたちが「自立・共生」するために、どのような資質・能力を育成する必要があるか、という新しい視点から「教科再編・新教科設立」に向けて研究を進めた。

  • ア 教科改変と絶対評価の実践的研究
    • 各教科が教育課程全体を意識したうえで、新しい枠組みや内容構造を明らかにした。総合教科「共生科」や選択教科との相互補完関係を重視し、内容構造のみならず、これからの時代に必要だと思われる資質や能力の育成も重視した教科改変を模索した。また、集団準拠評価から目標準拠評価への転換に伴い、評価事例の収集と分析から、その在り方を帰納的に見直し、指導の改善に生かす研究を行った。

教科改変構想図
教科改変構想図

教科改変構想(平成14年)

評価の研究の過程で、生徒の学習状況に応じて基礎・基本を強化する必要性を感じ、「広げる」「深める」の二つの方法による発展的学習の実践化も行った。

  • イ 体験と理論の往復にもとづく教科内容の見直し
    学習者を取り巻く理論的な世界と実生活との関連、体験としての感覚を重視し、各教科の内容を「体験と理論の往復」を視点に見直す研究を行った。
  • ウ 総合的な学習の教科化と必修教科の見直し・・・総合教科「未来志向科」の創設
研究開発学校指定研究(平成20年~23年)

これからの時代に求められる力を「あらゆる場面で周囲をを取り巻く状況を読み取り、自ら考えを深め、柔軟かつ創造的に問題を解決していく力」と考え、その力を育成するために、今日的な課題を学習内容とした総合教科「未来志向科」を教育課程に位置付けた。また、必修の9教科は、教科の特性に応じて、学習内容や学び方によるつながりを持つような教科内容の見直しを図り、未来志向科の学習と相互に関連させた教育課程を開発した。

教育課程
平成23年度の教育課程

研究主題

これからの時代に求められる力を育てるための、総合的な学習の教科化と必修教科の見直しによる教育課程の研究開発

第7期の研究推進(平成24年~)
----未来を創造する学びの追求----

変化の激しい時代においては、社会を取り巻く課題や現実を受け止めながら、他者と共に社会に働きかけ、生き抜いていく力が必要である。先行きの見えにくい未来を切り拓き、他者と共に社会を創造していく人間の育成を目指し、「未来を創造する学び」を研究主題に掲げた。  前研究からの継続性を生かすとともに、研究主題の「未来を創造する」に沿った「自己の実現」と「社会の創造」の特色を表すために、未来志向科を教育課程の中心に置き、一人の学習者の立場から広く実社会を見据えた教育課程を編成した。学習者の学びが学校のみに閉じることなく、実社会を意識しながら行われるような教育実践を行う。

研究開発学校指定研究(平成27年~30年)
研究主題

これからの時代に必要な資質・能力「コミュニケーション能力」「創造的思考力」を育成するための新領域「創造表現活動」を設置し、表現に関する教育の充実を目指した教育課程の研究開発

教育課程
平成28年度の教育課程

表現を重視した学習を行う新領域「創造表現活動」を創設し、教科で扱う表現活動や創造的な活動とも関連させた教育課程を構築する。創造表現活動を中心とする学習を通して、他者との関わりの中で自己の生き方や在り方を振り返り、自らの知や価値観を更新するなど、これからの多文化共生の時代を生き抜くことができる学習者の育成を目指す。

第8期の研究推進(令和2年度~)
----学校を問い直す----

今日、学校は多くのことを抱え込み、限界であると指摘される。今まで行ってきたこと、今行っていることを当たり前のこととして容認したり、必要とされる資質・能力を上乗せする形で育成することを引き受けたりせず、本当に必要なことは何なのか考えようとすることが必要なのではないかと考えるに至った。今何が本当に必要なことで、何が不必要なことなのか、精査して選び取っていくことが、より強く求められる時代となっている。そこで令和2年度から学校において絶対に欠くことのできない中核的な要素を見極め、取捨選択し、「学校は何をするところか」考え続けることを「学校を問い直すこと」と定義し、研究テーマとした。

書籍案内

  • 未来を創造する学び ―コミュニケーション能力・創造的思考力を育む新領域 創造表現活動の可能性未来を創造する学び ―コミュニケーション能力・創造的思考力を育む新領域 創造表現活動の可能性
    香川大学教育学部附属高松中学校/著
    (2020 明治図書 2,100円+税)
  • 「未来志向科」で拓く新しい学び「未来志向科」で拓く新しい学び
    香川大学教育学部附属高松中学校/著
    (2012 ぎょうせい 1,500円)
  • 教科学習を支え、支えられる総合的学習 学校の共同研究教科学習を支え、支えられる総合的学習 学校の共同研究
    香川大学教育学部附属高松中学校/著
    (2002 明治図書 2,760円)