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平成13年度の取り組み

アイコン音楽科における課題
 子どもたちの身の回りには,様々な音楽があふれている。「飽食の時代」ならぬ「飽聴の時代」と言えよう。そんな中で,子どもたちは本当に価値のある音楽を見極めていくことができるのだろうか?また,一つの楽曲にじっくりと取り組み,そのよさを実感し,他の楽曲にも価値を見いだすことができるのだろうか?興味も多様化し,みんなで一つの音楽をつくり上げていく活動にも,友達とうまく協調できない子どもが増えてきた。
 音楽科の授業においては,単に「楽曲を知った」という経験だけではなく,その楽曲を特徴付けている音楽的要素に着目させ,価値を認めた上で,自分に合った表現方法を選択させる。そして,多様な表現の中で,友達と一緒に音を合わせる心地よさや豊かな響きを味わわせたい。
 私たちは,12年間という展望の中で,自ら音楽とかかわっていける基礎的な力と,他者とともに音楽を愛好する心情をもった子どもを育成していくために,幼・小・中で連携を図りながら,一貫したカリキュラムをつくっていくこととした。

アイコン課題に対する基本的な考え

身に付けさせたい資質・能力を意識した一貫カリキュラムへの見直し

 新学習指導要領に記載されている目標を目指し,そのための内容を身に付けるには,他の学年を見通しながら,どの学年で,どの楽曲が効果的であるかという題材との関連で,カリキュラムを作成することが大切である。ことに今回の改訂で,目標や内容が2学年まとめて示されるようになり,記号や符号の指導は6年間を通じてその都度行うようになったこと,また,時間数も削減されてきたことによって,より一層の繰り返し学習や細かい計画が必要となってきた。私たちはそれを,更に12年間という一貫したものになるよう,カリキュラムの見直しを図っていくことにした。

音楽的感受力の基礎・基本としての社会性

学習指導要領にある「音楽に対する感性」を社会的な面も含めて捉え,「音を重ねたり合わせたりする」ことの心地よさも「音楽的感受力」の基礎・基本として位置付ける。平成8年の中教審第一次答申では,基本方針のA番目に「自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心,生命や人権を尊重する心,感動する心など,豊かな人間性」を挙げている。人間性の中の社会性に焦点を当てて音楽科におきかえるならば,「個の思いを表出しながらも,友達と合わせる活動の中で,その楽しさを味わったり,必要感をもって技能を習得したりするような子ども」の姿を目指していきたい。
このように,「音楽的感受力」を包括的に捉え,教科としての内容の中に,社会性を育成するための内容を組み入れ,授業づくりを進めていく。教科としての内容,即ち12年間の中でのカリキュラムに基づく内容の中に,学習形態として,音を通して友達と聴き合う,学び合う場を意図的に組み入れたり,アンサンブル活動や発表の機会を多く保障したりする。その両面を意識した学習活動を,低学年のうちから展開していく。


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