4  「思考力」の評価
○ 「話すこと・聞くこと」の領域における評価
 この領域においては,音声言語での思考様式の活用・転移状況を把握していく。したがって,評価の場を逃がさないように,スピーチをビデオに収録しておいたり,聞き手においては,メモをとらせて,そこから何を聞き取っているのかを把握したりといった評価方法をとる。
例えば,一つのテーマについて話し合う能力を高める場合,グループでの話し合いの内容をテープやビデオに収録しておく。そして,自分の考えの基となる根拠や理由を明確にして話したり,共通点や相違点に気を付けて聞いたりすることができているかを評価するのである。
 また,このことは子どもたちの自己評価の育成にもつながる。

○ 「書くこと」の領域における評価
 この領域においては,子どもの作品を基に評価していく。なお,「情報収集・選択」「構成」においては,その思考様式が焦点化されるような「情報メモ」「構成メモ」を基に,「着眼点」を把握していくといった評価方法をとる。
 例えば,自分が紹介したい事柄にふさわしい内容が収集・選択できているか,また選択した内容が「はじめ」「なか」「おわり」のまとまりのどの部分に書かれるべきかを考えた「構成メモ」が書けているかを評価する。と同時に,「時間的な順序のまとまりに気を付けて書く」「抽象的なことばを具体的なことばに置き換えて書く」といった思考様式にそった文章が書けているか等を作品から評価する。

○ 「読むこと」の領域における評価
 この領域においては,質問に対する反応という形でも評価できる。また,思考様式の有効性を併せて問う評価方法をとる。 
 例えば,問いで読み手の探求心を刺激し,答えの説明で読み手を納得させるという説明的文章を基に,段落相互の関係や内容を正しく読み取っていく学習を行う。その後,同一教材の他の部分から,あるいは他の文章から,問いと答えの関係や内容を正しく読み取ることができるか,構成のよさや効果を理解しているかなどについて評価する。