
3年生が、公立高校入試を終え卒業を翌日に控えた3月12日木曜日、
本校の伝統行事である「送別芸能祭」が行われました。
「送別芸能祭」は、お世話になった3年生に感謝と応援の気持ちをこめて、学年団で創りあげた
演劇を贈るものです。1年団、2年団で、それぞれ1時間ものお芝居を創りあげるこの行事は、
“3年生への贈り物”であると同時に、“学年団としての成長の集大成”でもあります。
製作の過程には、毎年たくさんのトラブルやハプニングが起こります。
あせったり、泣いたり、おこったり、子どもも先生も大変です。
しかし本番では、そんな多くの苦労が吹き飛ぶような感動が生まれます。
1年生が精一杯創った演劇の完成度を、2年生の演劇がかるく越えていき、
また3年生の合唱が、それをまた上まわる感動を与えてくれます。
大人の想像をはるかに超えた、子どもの力を感じます。それもまた、伝統なのかもしれません。
今年の送別芸能祭も、大変すばらしいものになりました。
あらすじ…
アンドロイドの民間利用がはじまった時代。柿本家に、アンドロイドのおばあちゃんがやってきた。
何でも完璧にこなすおばあちゃんに、長女のスギエと長男のカシオはビックリ。
しかし、末娘のクリコだけは、口をきこうとしなかった。そして、1ヶ月後、おばあちゃんを家から
追い出すために、クリコはある決意をする…。
どんなときだって、一人で生きている人間はどこにもいない。だって、宇宙はこんなに広くてすてき
なのだから…。人を愛することを怖れないこと。目に見えない絆を信じること。いつも見守ってくれて
いる人がいること。たくさんのメッセージを、私たちの演劇で伝えられるとうれしいです。
(送別芸能祭 パンフレットより)

香川大学より、大学で使用されていたBösendorfer(ベーゼンドルファー)社製のグランドピアノを
寄贈いただきました。
今年の送別芸能祭では、その特別企画として、香川大学の柳井先生と青山先生にお越しいただき、
短時間ではありましたが、ミニ演奏会が行われました。
楽器の美しい音色を生で感じ、心やすらぐひとときとなりました。




バンクーバーオリンピックでフィギアスケートの浅田真央選手がフリープログラムで演技をしたとき
の曲『鐘』を弾いていただきました。耳なじみのあるメロディーが、胸にすっとしみこみました。
ピアノとフルートのハーモニーを聞き逃すまいと、体育館が静寂に包まれました。
いつもの体育館がコンサート会場のようになり、演奏が終わると盛大な拍手がわき起こりました。
脚本:成井豊/演劇集団キャラメルボックス






1年生感想より(内容を変えない範囲で一部抜粋しています。)
○練習のときの何倍も良かったと思います。だから本番は、大成功でした。劇の準備も、心をこめて、
「ただのダンボール」を「心のこもったダンボール」にして、電話、エレベーター、ラジオなど、
色々なものを考えながら作りました。他の担当のところも同じだと思います。
○本番直前、準備していると、3年生の席から「楽しみだね」という声が聞こえてきました。
3年生が期待してくれていると思って、ますますやる気がわいてきました。音楽がなって、
劇が始まった時にはもう無我夢中でした。
○ぼくは照明でした。プロジェクターに文字を映す仕事もありました。最初の練習のときは成功
しましたが、前日は失敗しました。とても不安で本番にのぞみました。ペンで画面をタッチする
指が震えました。3年生も、映し出された文字を読んでくれたので良かったです。
○最初は、「本格的に劇をやるなんて…」と不安がいっぱいでした。自分の得意分野の音響の担当
になり、みんなでCDを集め、聞きくらべて1番良いものに決めていき、音が全部決まったときは
「よかったぁ~」とホッとしました。最後の3年生の合唱を聞いていると、「もう先輩に会えなく
なるんだ…」と思うと涙がでてきました。

あらすじ…
夏代のおばあちゃんは、広島の原爆で亡くなったお母さんの形見のボタンを大事に持っている。
しかし、その理由を誰にも教えてくれない。そんなとき、クラスで合唱コンクールの話が持ち
上がり、合唱で歌う曲について話題になる。そこで、夏代は自分のおばあちゃんとお母さんの
気持ちをテーマとした曲を作りたいと言うが、クラスのみんなはバラバラになってしまい、
さらに「合唱なんてきれいごと」という人物まであらわれる。クラスがひとつにまとまってくれ
ないことに悩む夏代を見て、おばあちゃんがしたこととは…。
(送別芸能祭 パンフレットより)






2年生感想より(内容を変えない範囲で一部抜粋しています。)
○自分のことだけでは劇はできないし、一人欠けても崩れていく。たったの一言でも欠けてはいけない。
だからこそ、あいまいな気持ちで取り組んでいる人は許せなかった。冷静に注意すべきところが、つい熱く
なるときもあった。でも本当にこの劇を素晴らしいものにしたかった。正直、本番は100%の力ではない
と思った。でもそれは、時間のせいじゃない。実力でもあり気持ちでもある。完璧にこだわるのがいい訳で
はない。結果でなく、それまでの過程にこそ意味がある。私たち120人は、確かにここでひとつになった。
○小道具では、演劇の最初のシーンで出てくる灯籠を創ることになった。僕たちは、最初のほんの2,3分
しか登場しない灯籠でも一生懸命つくった。やっぱり、最初のシーンと言うことで、みんなできるだけいい
ものを作ろうとしていたからだと思う。骨組みとなる割り箸がなかなか固定できなかったり、練習で電池が
切れたり、周りの半紙が風や雨でぼろぼろになったりもした。そのたびに何度も修復した体験は、単調で
つらい仕事だったが、今となっては良い思い出になった気がする。
○本番当日、僕たちの作った道具が輝いて見えた。おそらくみんなそうだろう。自分の作ったものが輝いて
見えたはずだ。役者や照明、音響、衣装も、もちろんこういう強い気持ちが残っていただろう。ぼくにとって
「おばあちゃんのボタン」は、みんなの気持ちがこめられた、輝いたものである。
○終わってしまった。私たちの送別芸能祭。少しでも先輩に気持ちを伝えることができただろうか。私たちの
作った「原爆ドーム」何時間もかけて色々と考えて作った。本番では、私たちの代わりに必死に演技してくれて
いるように見えた。翌朝、先輩と抱き合った。本当に先輩の後輩でよかった。2年間ありがとうございました。


3年生は、1、2年生からの演劇と合唱に込められた想いを受け取り、去りゆく先輩として最後の
メッセージを、合唱を通して在校生に残します。
今年は、3年生がこれまでの送別芸能祭で歌ってきた合唱曲2曲と、この夏のNHK合唱コンクール
課題曲としてよく知られる「YELL」(いきものがかり)を歌いました。
合唱の途中で体育館の一部でブレーカーが落ちて電子ピアノの音が出なくなるハプニングがありました。
しかし、突然のハプニングに戸惑いながらも、指揮にあわせて必死に歌い続ける姿は、この3年間への
強い想いや在校生への深いメッセージ、3年生の固い絆が見えるようで、胸が熱くなりました。
涙がまじりながらも思いの詰まった力強い歌声が体育館に響くなか、
在校生は心のうちで先輩との思い出を振り返り、そのメッセージを胸に刻みました。
「ありがとう。3年生。」




3年生感想より(内容を変えない範囲で一部抜粋しています。)
○自分が3年生を贈るときも、こんな思いだったのか、と送られて初めて分かった。演技やつくったもの
などを見ていると、自分たちのために頑張ってくれてたんだなあと思った。だから精一杯歌った。自分は
後輩に大したことはできなかったけれど、こんなにすばらしい送別芸能祭で送ってもらって、本当に嬉しい。
後輩には、尊敬され、感動で送られる先輩になってほしい。
○劇から伝わったメッセージが、とても心にしみた。3年の合唱も、途中でアクシデントがあったものの、
今までで1番の歌を歌えたと思う。1、2年生には、これまでの附属の伝統を受け継いでいってほしいと思う。
最後に、ありがとうと言いたい。
○今までは、自分たちが見送るほうでした。でも今回は、自分たちが見送られるほうになり、時が経つのは
はやいな、と感じました。1年生は、どんなに形や姿が変わっていても、みんなつながっているのだという
ことを学びました。私は、みんなと違って、自分の夢のために別の高校へ行きます。今の時代、メールとか
があるからどこへ行っても会えるけど、気持ちが別のところに行ってしまうかもしれない。でも劇を見て、
どこにいてもつながっていることを知った。
○1年生のも、2年生のもすごくよかった。がまんしてたけど、泣きそうで大変だった。みんな劇がうまく
て、びっくりした。この2年生と1年生なら、附坂中はこれからもずっと楽しくて良い学校であると信じら
れると思った。自分たちの歌は、泣いてあまり歌えなかった。でも良い思い出になった。
○感動しました。いろいろな感情を劇の中で見ました。今までは、自分が見せる立場だったけど、観る側に
回ってみると、すごいなあと思った。自分たちのために、こんなすごいものを作ってくれた1、2年生に
感謝します。この3年間が、とても充実していたものに感じました。ありがとう。
○最高に楽しかった。感動しました。自分もこうやってやっていたな、と思うと切なくなります。でも、
1、2年生の合唱の力で私たちは前を向いて歩いていけそうだと思いました。つらいときとか、悲しいときは、
今日のことを思い出そうと思います。こんな素晴らしい後輩たちに恵まれたことを、本当に誇りに思います。
○どちらの劇もすごくよかった。それぞれ本当にメッセージが伝わってきて、ありがたかった。自分たちも
アクシデントはあったものの、そのメッセージにこたえられたのかな、と思う。3年間の日々を思い出し
ながら歌ったYELLは、下手ではあったけど、最高のものになった。この中学校に入れてよかったと思った。
3年間、本当にありがとうございました。











1年団合唱曲:『道標(みち)』
2年団合唱曲:『あなたへ~旅立ちに寄せるメッセージ~』
脚本:山内弘行/広島市立美鈴が丘高校