No. 3                                平成11年12月15日発行


   目 次


 
 センターの教育相談事業について 
教育実践総合センター
宮前 義和
 本年度、教育実践研究指導センターが拡充改組され、教育実践総合センターが誕生しました。その際新たに設けられたのが教育臨床研究部門(教育相談、生徒指導)です。同部門は、不登校やいじめ、学級崩壊など、今日その対応が急がれている学校の課題の解決に貢献することを目指しています。その一環として、同部門では、お子さんや保護者の方、学校の先生に対して「教育相談」を開始いたします。なかでも、ともすると不足しがちであった学校の先生に対する支援を重点的に行っていきたいと思っています。
 不登校等の教育上の課題に対する学校の先生の対応を支援していくにあたっては、教育実践の専門家としての先生の立場や対応を尊重していきたいと考えています。坂元(1998)によると、「カウンセラーは常に個に対応するが、教師は個に対応するとともに常にその子の属する集団(学校、学級、班、部活動)に対応する」、「カウンセラーは状況や内面の理解を優先するが、教師は問題解決のための行動を優先する」、「カウンセラーには「守秘義務」があり、知りえた事柄をクライエントの了解なしに、安易に第三者に伝えることはない。教師は問題解決の手段として、必要があれば情報交換を密に行い共通理解を図る」、「カウンセラーは受動的(待つ)姿勢を基本とするが、教師は能動的姿勢での対応を基本とする」といった違いが学校の先生とカウンセラーとの間にはあるとされています。こうした違いは専門性の違いだと思います。山本(1995)が述べているように、専門性が違うからこそ課題の解決に向けて異なる視点から話し合い、より豊かな児童生徒への対応の方法を模索していけるのではないでしょうか。学校の先生とカウンセラーという専門性の違いを乗り越えて相互に理解しあい、様々な教育上の課題をいっしょに考えていくことができればと願っています。
 学校教育上の課題の解決に貢献してお子さんや保護者の方の苦しみ、学校の先生の大変さを少しでも和らげることのできるような教育相談を行うこと、また、教育実践総合センター教育臨床研究部門ならではの教育相談をつくりあげていくことを目指しています。学部や附属学校園の先生、県下の教育関係機関の方々のご理解とご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 
引用文献
○ 坂元裕二 1998 学校教育におけるスクールカウンセラーの必要性-生活指導とカウンセリングの相違点と相互理解 倉光修(編)臨床心理士のスクールカウンセリング・その活動とネットワーク 誠信書房 Pp. 65-69.
○ 山本和郎 1995 序にかえて 村山正治・山本和郎(編)スクールカウンセラー その理論と展望 ミネルウ゛ァ書房 Pp. 1-10.


 
教育相談室について
内 容:不登校、いじめ、学級崩壊、クラスになじめない、引っ込み思案など
     教育上の課題
担 当:教育実践総合センター 専任講師 臨床心理士 宮前義和
相 談:来所相談(予約制)
場 所:教育実践総合センター内 教育相談室
料 金:無料
予 約:電話による受付 087−832−1686(直通)
     電話の受付時間 毎週火曜日 午後1時〜5時
 
※FAX、インターネットによる予約の受付は行っておりません。予約の際に、簡単に問題をお聞きするとともに、ご都合のよい相談の日時をうかがいます。


《附属幼稚園研究発表会 報告》
                                  平成11年11月2日(火)
     研究主題
心を練る・自分探しへのいとなみ
〜関係づくりとしての幼児の発達を考えるU〜
 前日から心配された天候ですが、どうにか雨にも降られることなく、県内県外からたくさんの参会者をお迎えして、研究発表会を行うことができました。大学の先生方、県、市教育委員会の関係者の方々には大変お世話になりました。多くのご指導、ご助言をいただいたことを、心より感謝しております。
 さて、今年度は遊びの中での子どものものやこととのかかわりに視点を当てて、子どもの発達していく姿をとらえてみました。子どもたちは遊びながら、泥や水に、一輪車に、積木に・・・かかわり続けます。そして、気持ちがいいな、どうしてかな、もっと〜したいななどと心を揺り動かしています。そうしながら、自分の心の手で心を練っています。
 しかし、研究を進めていくうちに、遊びというものはものやことにだけかかわっていく営みではなく、同時に周りの友だちとも、そして、自分自身ともかかわっていく総合的なものだと気がつきました。また、子どものものやこととの関係づくりが広がり、深まっていくように保育者が援助していくことが、人との関係づくりも、自分との関係づくりも深めていくことにつながり、総合的な発達を促していくことになると考えました。
 研究会当日は、午前中の公開保育の後、研究発表を行い、午後からはそれらを受けての全体会を行いました。実際の保育の場面で子どもたちがどのようにものやこととのかかわりを広げ深めようとしているのか、保育者はそれをいかに援助していこうとしているのかということについて、教育委員会の先生方、大学の先生方、本園の職員とで話し合いました。「といを使ったビー玉コース遊び」(3歳児)、「一輪車遊び」(4歳児)、「木工遊びの中でのビー玉コース作り」(5歳児)の3つの遊びから考えていきました。
 子どもたちの手で受け継がれていく遊びを、幼稚園の伝統や文化として捉え、その中での子どもたちの育ちを改めて考えてみました。また、心を揺り動かす豊かな遊びに打ち込んでいくことは、そのこと自体仕事のようなものであり『遊びと学び』という側面についても考えてみました。
 今後は、『自分探しへのいとなみ』の最終章、自分への関係づくりをしながら心を練っていく子どもの姿をとらえ、さらに保育者としてのありようを探っていきたいと考えています。

 

《附属高松中学校公開授業研究会 報告》
−開かれた附属学校を目指した、新教科「共生科」公開授業について−
 
1 公開授業のねらい
 従来までは、2年に一度の研究発表会で研究成果を公開していたが、地域における研究推進の面からは不十分な点があった。これからの「地域に開かれた附属のあり方」を考えたとき、可能な範囲で授業を公開することが、附属の役割を果たすことになる。そこで今回、現在研究に取り組んでいる、21世紀に求められる資質・能力を育成することを目的とした新教科「共生科」の公開授業を3回行うこととした。
 
2 研究主題とその解説
 香川大学教育学部附属高松中学校では平成10年度より3カ年、文部省研究開発学校の指定を受け、21世紀中葉の前期中等教育の在り方についての基礎研究を行っている。
 本校の研究主題は、下記の通りである。
21世紀に求められる資質・能力の育成を目指して
−教科改変・新教科設立による新しい教育課程の開発−
 
 この研究は、従来の新学問との関連から構成されてきた、教科教育を根本的に見直そうとするものである。昭和33年の学習指導要領以降、改訂されてきたが、教科内容の削減もしくは追加にとどまり、教科そのものが見直されることはなかった。
それも一因となり、教科教育が柔軟性を失い、社会の変化に対応しきれなくなってきている。そのため現在教育現場での大きな問題は授業が「わからない・役に立たない・おもしろくない」と思っている子どもたちの増加である。教育現場としては、真剣に対応しなくてはならない問題である。そこで本校は、21世紀に求められる資質・能力を育成する視点から新教科を開発するとともに、ここを切り口に従来の必修教科を改変したいと考えている。
 
3 今年度の研究成果と課題
  研究は、「共生科」を必修教科と位置づけて、3領域で構成し、1領域70時間の単元開発及び実践に取り組んでいる。「共生科」の各単元は資質・能力を育成するめの活動を中心にして構成されている。生徒は主体的に活動に取り組んでいる。反面、活動を主としているため評価をどのようにするかなどの問題も多くある。


 

第13回日本教育大学協会全国教育実習研究部門総会・研究協議会に出席して
                                   柳 智博(技術教育)
 平成11年10月22日(金)に、静岡大学教育学部で第13回日本教育大学協会全国教育実習研究部門総会・研究協議会が開催され、香川大学から筆者が出席した。午後1時から約30分間の総会をはさんで、午前と午後にのべ約4時間の研究協議会が行われ、また研究協議会終了後に約1時間の総合協議が行われた。研究協議会では、各大学の教育実習の実施内容についての改善状況に関する報告が中心であったが、介護等体験事業の実施状況、フレンドシップ事業の実施状況についても少数の報告があった。
 昨今の教員養成大学・学部を取り巻く状況を考えると当然のことであるのだけれど、本研究協議会全体の雰囲気は、筆者の予想を超えて非常に活発なものであった。各報告に対する質問も多数あり、また総合協議においても1時間では到底語り尽くすことのできない程の質疑や各大学の状況説明が相次いだ。多くの参加者は、自分の所属する大学の教育実習の改善に取り入れられること、あるいは参考になることを真剣に探し求めているのである。筆者の推測ではあるが、多くの参加大学は、教員養成率の低下問題を抱えており、大学・学部の生き残りの手だてとして、教育実習を学生の教員としての資質向上の切り札とみなして、その改善を真剣に考えているようだ。この筆者の推測は、あまりに打算的なものであると考えられるが、本会の状況はそれを如実に反映しているのではないだろうか。
 当然、多くの参加者は、各大学の教育実習委員長や実践センター長クラスの人がほとんどであったようだ。筆者は、偶然本会で会った顔見知りの某大学の教育実習委員長の先生から、関西人特有のジョークであるが、「あなたも教育実習委員長ですか。」と聞かれて、おもわず苦笑してしまった。
 本稿では、各報告内容についてはまとめないが、その折りの資料を本学部附属教育実践総合センターに置いておく。興味のある方は、それをご覧頂きたい

 

《平成12年度の教育実習事前・事後指導「教育実践演習」》
 来年度より、平成10年度の学部改組後に入学した学生の教育実習が始まる。複数校種の実習が義務づけられ、基本的に3年9月と4年9月に実習が行われる。これに対応して、教育実習事前・事後指導も大きく変わることとなった。変更点は、@事前指導は3年次前期木曜日5校時に定時開講する、A「初等」「中等」の区別をなくし、実習へ行く校種の事前指導を受ける、B授業は教育実践総合センター及び附属学校園の担当者が行う、C事後指導は3年次実習終了後に行う、などである。
 教育実習の事前指導は、本演習だけでは不十分である。他の教科教育関連科目等とも連携・協働を進めながら、充実した教育実習に必要な力量を育成することが求められる。
 
<日程案>
  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14
 4/13 4/20 4/27 5/11 5/18 5/25 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13 7/20
 
 オリエン 養護学校実習の事前指導 小学校実習の事前指導 中学校実習の事前指導 予備
 テーション             人間発達課程事前指導 幼稚園実習の事前指導
 
 「オリエンテーション(4/13)」「教育実習直前教育(7月)」及び自分が受講する教育実習校種(2校種以上)の事前指導を受講する。


【センター研究プロジェクトの活動紹介】
教育実習カリキュラムの改善に関する研究プロジェクト−
 来年度からの教育実習の変更にともなう諸問題を、学部と附属学校園とが共同して研究することを目指して、本研究プロジェクトは組織されました。現在、長谷川順一(数学教育)、住野好久(センター)の2名の学部教官と、久保田恭子(附高中)、宮野真也・大須賀洋子(附坂小)、藤田まり・塩田寛幸(附坂中)の5名の附属学校教官がメンバーです。
 本プロジェクトの研究計画は現在検討中ですが、長谷川先生が本プロジェクトの研究課題として大きく次の3点を指摘されているので、それをご紹介します。
@来年度からの新しい教育実習事前・事後指導「教育実践演習」の内容や実施形態、実施 時期等について、関連委員会等と連携しつつ研究的な立場から検討する。
A各附属校・園で開発されてきた教育実習の運営や実習指導の方法等を、新しい実習シス テムに対応させる作業を支援する。その際、学部教官の役割も検討する。
B教育実習期間中の相互評価・自己評価等のあり方、実習後の成績評価基準、教育実習自 体の評価等、教育実習における評価について総合的に検討する。
 詳細については今後詰めていく予定ですが、教育実習指導の実際に役立つ研究を進めていきたいと考えております。先生方のご協力をよろしくお願いいたします。(文責 住野)


 

  【センターからのお知らせとお願い】  
第2回センター研究会について
 来春で御退官される中川益夫先生が発表されます。引き続き行われる「センター忘年会」ともどもご参加下さい。どなたでも参加できます。
 ・日 時 平成11年12月22日(水)16:30〜18:30
 ・場 所 教授法演習室
 ・内 容 私の教育実践 −授業にのぞむ心構え等−  中川益夫先生(理科教育)
  教育系大学で学んだ私は、専門の物理学と同等に教育に関心がある。21年間勤めた原子力岳から教育岳に移り住んで12年余。いずれも前途多難の険しい岳・学だ。でも、どちらも複合学、総合学であることに意義深いものを感じてきた。
  私の教育実践を振り返ってみた時、動力源であった教育目的、教育に見出す意義、教育方法等は実践と総合という車の両輪につながっている積もりであったが・・・・はてさて?
附属での授業研究会について
 附属高松小学校で、学部・附属共同による授業研究会を行います。参加希望者はセンターまでご連絡ください。
 ・日 時 平成12年1月24日(月)
 ・日 程 14:45〜15:30 研究授業 3年社会 亀井健男教諭
                   6年算数 辻 幸治教諭
      15:50〜19:00 討議
 
附属学校園の公開研究会について
 
<附属養護学校研究発表会>
 ・日 時 平成12年2月4日(金)
 ・研究主題 「確かな社会参加につなげるためには」
 ・詳細は、同校のホームページ(http://www.ed.kagawa-u.ac.jp/~fuyou/home.html)を。
<附属高松小学校・附属幼稚園高松園舎研究発表会>
 ・日 時 平成12年2月9日(水)、10日(木)
 ・研究主題(小学校)「変化の時代を生きぬく豊かな自己を創造する教育」
      (幼稚園)「幼児期にふさわしい生活の中で−身体ぐるみのかしこさを育てる」
センター前掲示板について
 7月にセンター前に設置された掲示板には、センターの事業をはじめ、公開講座、講演会のお知らせ、地域のイベントの案内など、様々な情報を提供できるようにしています。是非ご覧下さい。また、掲示板でお知らせしたいことがあれば、センター事務室までポスター等をお持ち下さい。
センター貸出物品について
 以下のセンター物品の貸出をしております。ご希望の方は事務室まで。
・ビデオカメラ CCD-TRV60,CCD-TR900,CCD-TRV92,CD-VX1(3CCD),EVO-9100(以上、8_)
        NV-AL30(VHS-C),DCR-VX1000(デジタル)
・コンパクトカメラ(35_) PENTAX ESPIO 160    ・三脚
・携帯用テープレコーダー          ・ポータブルCDプレーヤー ZS-D1
・ノートパソコン FUJITSU FMV BIBLO NU [23
・マルチメディア液晶プロジェクター EPSON ELP-3500
・スライドプロジェクター   ・OHP   ・スクリーン   
・湯茶セット  ・雑誌、図書等
センターでご利用できるものについて
 以下のセンター備品をご利用できます。ご希望の方は事務室まで。
・コピー機(10円/枚)        ・カラーコピー機(40円/枚)
・スライド作成機            ・ビデオ機器(ダビングができます)
・製本機    ・紙折り機    ・裁断機    ・会議室
・教育情報データベース開発支援システム
 (ビデオの編集・合成・LD・CD、スライド、写真も加工して教材ビデオが作れます。)
・各種パソコン  (レーザーやカラーBJによる印刷、ワープロのDOSテキストコンバート、インターネット等の通信、
          スキャナーによる読み取り、OCR、英日・日英翻訳等)

 

文 献 紹 介
 センターに寄贈された文献から2冊紹介したい。1冊目は、吉崎静夫+香川大学教育学部附属坂出中学校著『「合科」からはじまるマニュアル・「総合的な学習」成功へのステップ』ぎょうせい、1905円+税、である。中学校における「総合的な学習」の実践モデルとして高い評価を得ている、本学部の附属坂出中学校による合科による「自由学習」について、その歴史的概観と実践のためのポイントがまとめられている。
 本書の構成は、以下の通りである。
  序 章 合科学習から始まる「総合的な学習」
  第1章 合科への道順をたどる−自由学習の変遷−
  第2章 合科はこうすれば実施できる−合科学習の運営−
  第3章 合科を支える資料を作ろう−モジュールブック作成の
      ノウハウとその例−
  第4章 合科の実際を見てみよう−合科学習の実際−
 第4章から読みはじめ、「合科」によってこんなにも楽しい学びが展開できることを、まず知っていただきたい。そして、「黄信号」がついているといわれる中学校の「総合的な学習」を創造する上で、手がかりにしていただきたい。
 もう一冊は、恒吉宏典・深澤広明編集『授業研究重要用語300の基礎知識』明治図書、2600円+税、である。本書は、授業研究に関する用語を「引く」ための辞書であると同時に、「読む」ための辞書であることによって、教育実践を「つくりだす」ことに貢献することをめざしている。その意図は次のような章立てにも現れている。
  T.教育方法思想の継承と授業研究へのアプローチ
  U.子どもの捉え直しと居場所づくり
  V.授業とコミュニケーションの成立基盤
  W.教材の開発と指導案づくり
  X.学習活動の展開と教師のタクト
  Y.学びと学習環境の広がり
  Z.教育課程の創造と学校の再生
 小・中学校教師、教員養成課程学生の必読文献として本書を推薦したい。(住野)


 

 阪根 健二 センター客員教授 の紹介 
センター長  藤本 光孝
 このほど教育学部に学外から客員教員をお招きする体制が整いました。その初めての適用者として、現在、香川県教育委員会事務局義務教育課で主任指導主事として勤めておられる阪根健二先生を、客員教授としてセンターにお迎えすることができました。このことが実現できましたのには、香川県教育委員会教育長折原守様をはじめとした多くの関係者のご配慮の賜物と感謝しております。
 阪根健二先生は、香川県下の公立中学校で生徒指導の分野で実践的なご経験を積み重ねてこられ、先にふれましたように、現在、香川県教育委員会事務局義務教育課で生徒指導の分野を中心とした主任指導主事として、まさに香川県下の生徒指導の指導的な立場にある方でもあります。センターではこうした阪根先生のご経験をもとに、教育臨床分野に関連する活動を中心にした実践的な教育指導のみならず、教育学部・センターと教育委員会・学校をはじめとする教育関係機関との連携をより緊密にしていくための活動を期待しております。阪根先生が学部・センターの一員としてご活躍されることを期待して紹介に代えることとします。
(自己紹介)
 今回、教育実践総合センターで、講座等でお手伝いを行うことになりました。
 現在、教育委員会事務局(義務教育課)で、生徒指導・情報教育を担当しておりますが、いろいろな問題に直面しながら、香川県の教育、特に生徒指導面で何かお役にたてないか模索しているところであります。
 私が教育を指向していた時、研究職よりも中学校現場を特に意識した大きな要因として、大学院在学中、東京都内のある公立中学校に特別に講師(臨時教員)という待遇で赴任したことがあります。昭和50年代の荒れる中学校を直接肌に感じた瞬間でした。でも、そこには苦悩と同時に、人と人とのぶつかり合い、そして暖かい感性の部分があったからです。
 昔は教師は3日やったら止められないと言うことがありましたが(現在は公務員だからという感触もあるようですが・・・・)、その本来の意味は、まさに人と人との関わり合いから生まれる感性ではないかと思うのです。その思いは今も変わらないはずです。しかし、今はどうもどこかでボタンを掛け違った面もあるようです。
 教育は、理論も重要でありますが、こと生徒指導となると、臨床教育学的見地が今後重要になるのではないかと思います。近年、京都大学からこの考えの基盤が生まれ、各地で研究が盛んに始まっていると聞きます。
 現場の生々しい実践から何が学べるか、微力ではありますが、ご協力させていただきたいと存じます。

 

 

  【寄贈図書一覧(99/10〜12)】  
 
いじめ防止教育実践研究 第3巻           広島大学 教育実践総合センター
IMETS 133〜134                  才能開発教育研究財団
会報 第43号                       日本教育方法学会事務局
WAGニュース 第6・8号                       WAG研究所
大学教育 第5号                  九州大学大学教育研究センター
教育論叢 第11号第1号                    近畿大学教職教育部
人間科学研究 Vol. 1               神戸大学人間科学研究センター
メディア教育研究 03-1999、Newsletter 14  メディア教育開発センター
年報ネットワーク1998年創刊号    東京大学大学院学校臨床総合教育研究センター
学校臨床総合教育研究センター概要             〃
大阪教育大学教育実践研究 第7・8号     大阪教育大学 教育実践研究指導センター
教育実践研究指導センターニュース 17        岩手大学 教育実践研究指導センター
研究紀要 第9号 1999                  〃
学校教育研究センター紀要 14         鳴門教育大学学校教育研究センター
 


 

  【センター活動日誌&報告(99/10〜12)】  

 10月13日(水)センター研究会

          1)教員養成カリキュラム研究会報告書の検討

          2)「教育総合セミナー」研究会報告書の検討

          3)教育臨床問題研究会報告書の検討

 10月18日(月)第6回企画推進委員会

 10月22日(金)第13回日本教育大学大学協会全国教育実習研究部門

          総会・研究協議会

 10月27日(水)フレンドシップ実施委員会

 11月 2 日(火)附属幼稚園研究発表会

 11月 5 日(金)第7回企画推進委員会

 11月 8 日(月)第3回センター管理委員会

          1)教官の公募について

          2)客員教員について

 11月 9 日(火)附属高松中学校公開授業

 11月12日(金)附属高松中学校公開授業

 11月13日(土)フレンドシップ事業−五色台デイキャンプ

 11月25日(木)・26日(金)日本教育大学協会四国地区集会

 11月29日(月)第8回企画推進委員会

 12月 1 日(水)センター客員教授着任

 12月11日(土)・12日(日)フレンドシップ事業−「むかしの遊び広場」

           (五色台少年自然の家)への参加