豊島事件の経緯
年代 主要事件
1975年 ・豊島総合観光開発株式会社(以下、事業者)が香川県知事に有害廃棄物処理場建設の許可申請(1218日)
・これに対し豊島住民はすぐに反対運動を開始
1976年 ・豊島住民1425名の反対署名を県へ提出(223日)
1977年

・前川忠夫知事「住民の心は灰色」発言

・「廃棄物持込絶対反対豊島住民会議」結成(227日)

・豊島住民515名が県庁へデモ(34日)

・豊島住民が高松地裁に処分場建設差し止め裁判申し立て(628日)

・事業者は無害物によるミミズ養殖に申請を変更(916日)

1978年

・知事が、ミミズ養殖による土壌改良剤化処分業のための汚泥処理に限定し処分場建設許可(21日)

・事業者と住民の裁判上の和解成立(1019日)

1983年頃

・有害産業廃棄物の大量不法投棄が始まり、野焼きも始まる。

・住民は県に事業者の違法行為を訴え、中止と指導監督要請を繰り返す。

1984年

・県に対し公開質問状提出(4月)

・この、事業者が上記のような事業を実施している間、香川県は118回の立ち入り検査を実施するも、廃棄物処理ではなく金属回収事業であり、違法ではないとの見解を示す。

1987年頃 ・喘息患者多発
1990年 ・兵庫県警が廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の容疑で処分地を強制捜査(1116日)

・豊島住民が「廃棄物対策豊島住民会議」結成(1128日)

・県幹部が始めて現地を視察(11月)

・事業者の処理業許可を取り消し、産業廃棄物を不法処分へと見解変更、事業者に撤去を求めるよう措置命令を出す(12月)

1991年

・兵庫県警が、事業者および従業員らを廃棄物処理法違反容疑で起訴。(123日)

・住民会議が県議会議長に早期撤去などの陳情書提出。(522日)

・神戸地方裁判所姫路支部において、豊島観光開発が罰金50万円、経営者が懲役10月(執行猶予5年)の判決を受ける(718日)

1992年

・住民会議が知事に早期撤去要請書提出(810日)

・住民会議が知事に、処分地に係る開発行為の許可をしないことを求める申し出書を提出(112日)

・不法投棄現場の立入検査、掘削・ボーリング調査を開始(1224日〜19935月)
1993年

・住民会議と知事が会見(6月)

・豊島住民(438人)が公害調停申し立て(1111日)

・豊島住民(111人)が公害調停参加申立書を県に提出。計549人に(1115日)

・事業者に対して、鉛直止水壁の施工及び雨水排水施設設置の措置命令(1122日)

・豊島住民が県庁前にて「立ちんぼ」による抗議活動開始(1220日〜1994531日)
1994年

・公害調査委員会が事件を受理(1月)

・第1回公害調停(323日)

・香川県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会設置(4月)

・メッセージウォーク出発(52日)

・第2回調停(519日)

・措置命令不履行で豊島総合観光開発を告発(531日)

・第3回調停(71日)

・第4回調停(729日)

23600万円の「実態調査」を閣議決定(1213日)
1995年

・香川県環境基本条例制定(3月)

・住民会議が行政代執行による産業廃棄物の撤去等を求める陳情書を提出(616日)

・公調委の最終調査結果発表「総量50万トン。瀬戸内海を汚染している」(6月)

・告発に基づく起訴により、土庄簡裁が豊島開発に罰金の略式命令(728日)

・第5回調停。公調委が現地実態調査結果及び7つの対策案を提示(1030日)

・第6回調停(1128日)

・第7回調停(1221日)
1996年 ・第8回調停(222日)

・豊島住民が高松地裁に、豊島総合観光開発の1978.10.19の和解違反の損害賠償を提訴(226日)

・第9回調停(44日)

・第10回調停(731日)

・菅直人厚生大臣が豊島を視察(8月)

・豊島住民が銀座でデモ(920日)

・第11回調停(同日)

・第12回調停(1023日)

・第13回調停(124日)

・高松地裁から豊島開発に慰謝料の支払と廃棄物の撤去を命じる判決が出され、豊島住民勝訴(1226日)

1997年

・第14回調停。県が溶融等の中間処理を行う方向で検討していることを表明(131日)

・第15回調停(226日)

・住民大会。県への謝罪、島外撤去を要求(3月)

・第16回調停(331日)

・住民会議が知事に、産業廃棄物の撤去等を求める陳情書と署名簿(約6万人)を提出(415日)

・県と住民の意見合わず公害調停延期。(5月)

・公調委が中間合意案を提示。(6月)

・住民会議が小豆島に本部を設置して「ローラー作戦」開始(714日)

・中間合意成立(718日)

・第1回豊島廃棄物等処理技術検討委員会開催(87日)
1998年

・住民会議が知事に、知事の謝罪等を要求する申し入れ書と署名簿(約30万人)を提出(26日)

100ヶ所座談会の第1回開催(715日)

・第1回豊島廃棄物等処理技術検討委員会(第2次)開催(818日)

1999年

・豊島住民の石井亨氏が県議選で当選(41日)

・第34回調停。第33回までの調停は排出事業者のみ(511日)

・直島町議会全員協議会で、三菱マテリアル樺シ島製錬所敷地内で中間処理施設を整備する提案(827日)

2000年

・直島町長が町議会で直島処理案の受入を表明(322日)

・第36回調停(526日)

・職員に対する処分(529日)

・県議会が調停条項を議決。併せて、直島町における風評被害対策条例を議決(61日)

・第37回調停。真鍋知事が豊島を訪れ住民に対し謝罪。調停成立(66

・第1回豊島廃棄物処理協議会開催(88日)

・直島町との協定書締結(918日)

・三菱マテリアル()との基本協定書締結(124日)

・県議会が中間処理施設契約議案を議決。中間処理施設請負契約締結(1218日)

2001年

・中間処理施設起工式(83日)

・県議会が、香川県における県外産業廃棄物の取扱いに関する条例を議決(1217日)
2002年

・「エコアイランドなおしまプラン」承認(328日)

・香川県本庁ISO14001取得(3月)

・エコアイランドなおしま推進委員会設立(514日)

※また、ゴミを撤去し無害化する作業には、今後10年の時間と約500億円の費用がかかるとされている。