香川大学教育学部・大学院教育学研究科 No.11
教員養成GP  ニ ュ ー ス レ タ ー
   教員養成GPプロジェクト実施委員会  '07.12.12

 
■ 教員養成GPプロジェクト最後の事例研究コロキウムが開催されます

 今回が香川大学教員養成GPプロジェクトとしての最後の事例研究コロキウムとなります。多くの皆様のご参加をお願いします。

  ○日 時:12月15日(土曜日) 13:30〜
  ○場 所:研究交流棟・研究者交流スペース
  ○話題提供チーム(話題提供順)
   ・飯山中学校チーム 「新しい発見と感動のある授業づくり −飯山中学校の研究テーマに沿って−」
   ・金山小学校チーム 「他教科における言語活用能力の育成−社会科を中心として−」
   ・林田小学校チーム 「小学校教育と特別支援教育から学んだこと」

 今回も前回同様、チームからの話題提供がなされ、それを受けて各テーブルで意見交流を行い、いま一度全体に持ち寄って交流を深める形で進められます。参加されます方は、何れかのテーブルでの意見交流にお加わりください。


■ 教員養成GP情報 − 地域との信頼関係の上に構築された教員養成GP「クリスタルプラン」から新たな飛翔をめざす
(岐阜聖徳学園大学教育学部)      報告 伊藤 裕康

 附属学校施設が不十分な私立大学では,教育実習を母校実習にすることが多い。岐阜聖徳学園大学教育学部は,附属学校(幼稚園,小学校,中・高等学校,高等学校)がある。だが,そこだけでは教育実習に対応しきれず,近隣学校との信頼関係の基,30年ほど前から協力校形式で教育実習をしてきた。同学部が母校実習でないことが,教員養成GP「クリスタルプラン」策定に大きく役立った。と言うのも,教職大学院設立に向け戦略的に教員養成GPを進めた兵庫教育大学では,高度な実践的指導力をもった教員と即戦力となる新人教員養成のため,110校もの公立学校の協力校を用意する際,相当苦労をしたからである。岐阜聖徳学園大学教育学部では,GP立ち上げ前から公立学校協力校が用意されていたといえる。
 「クリスタルプラン」は,実践的指導力育成コア科目群の設定,地域の学校・教育委員会との密な連携,e−Learningの有効活用が特色である。実践的指導力育成コア科目群は,教職体験科目群と子ども理解科目群からなり,1年時から卒業年度まで継続的に学校体験と子どもとのふれあい体験を積み重ねる。教育実習協力校との信頼関係を基に,大学が地域の教育現場への講師派遣や保護者相談等どの形で貢献することで,岐阜市・羽島市・大垣市・各務原市及び羽島郡二町教育委員会と連携協定を締結した。このことで,1年時から段階的に教育現場を体験することを可能にした。
 教職体験科目群では,遊びや清掃等の支援、授業と学級などの運営の観察,授業・教育相談などの補助活動を行う。子ども理解科目群は,学生の企画・立案により,地域の子ども達とレクレーション活動や農業体験などを行うフレンドシップ活動である。
 さらに,岐阜県内の主要施設を通信用の光ファイバーケーブルで結び,県内のどの学校も利用できる岐阜情報スーパーハイウェイが2004年から本格運用されたことを活用し,リアルタイム性とオンデマンド性を合わせた「プレンデッドラーニング」を行っている。岐阜情報スーパーハイウェイを活用し,地域の学校で行われている授業を大学でリアルタイムで観察し,その後テレビ会議システムにより討論を行う。さらに,授業をデーターベース化し,いつでもどこでも視聴可能な環境作りを行う。これは,リアルタイム性とオンデマンド性が共存していることが特徴である。子どもへの学習指導とカウンセリングをe−Learning で行い,不登校等学校と距離のある子どもを支援し,解決方法を探る。e−Learningとともに対面学習も合わせて行うことで効果を上げる「プレンデッドラーニング」である。
 同学部では,教員養成GPを発展させた「学校インターンシップを活用した教職実践特別演習(試行)」が教員養成改革モデル事業のモデルプランとして採択された。教員養成改革モデル事業は,文部科学省が平成21年度から4年生後期の必修科目として「教育実践演習(仮称)」を導入するにあたり,全国の教員養成課程をもつ大学にモデルプランの提案を呼びかけたものである。
 地域との信頼関係の上に構築された教員養成GP「クリスタルプラン」を踏み台として新たな飛翔をめざしている。また,学校現場教員の資質向上への貢献として,スクールパートナーシップ事業として学部所属教員の専攻分野等を示したパンフレットを配布し,講師派遣をしている。