香川大学教育学部・大学院教育学研究科 No.6
教員養成GP  ニ ュ ー ス レ タ ー
   教員養成GPプロジェクト実施委員会  '07.10.29

 
■ 第2回事例研究コロキウムが開催されました

 10月20日(土曜日)、午後1時30分から4時35分まで、教授法演習室に約70名の参加者を得て、第2回の事例研究コロキウムが開催されました。今回は、多肥小学校チーム、竜川小学校チーム、香西・安田小学校チームから、APチームの協力校での活動報告、協力校で大学院生が実施した授業の報告と反省的考察、これから実施する授業の構想など、具体的な事例をふまえての話題提供がなされ、引き続いて討議をもちました。参加された協力校の先生からは、大学院生が研究に対して新たな提案をしてくれる、コロキウムに参加することで他校の研究の様子も分かる、などの発言もありました。今後のAPチームの活動が一層期待されます。

 

■ 紹介:東京学芸大学現代GPプロジェクト −教員養成のためのモジュール型コア教材−   黒田 勉
 東京学芸大学で実施されている現代GPプロジェクト「教員養成のためのモジュール型コア教材」を紹介します。このプロジェクトは、2006年度から3年間の計画で行われています。目的は、「国立大学教育実践研究関連センター協議会加盟センター等の関係者が連携協働して、学校現場で生起している様々な教育課題の解決と改善に寄与できるような資質と実践的能力を有する教員を育成するための標準的なプログラムを目指したコア教材を開発する」ことにあります。具体的には、
@学校生活に不適応を示す児童・生徒の事前予防と心理的健康増進を支援する方法を適切に実施できる実践的資質能力
A学習集団を組織し、授業を設計・実践・内省評価するプロセスを通して、教員として自己成長できる資質能力
   (裏面に続きます)
B社会の情報化に適切に対応し、児童生徒の学習意欲と確かな学力の向上を図るためのIT活用授業実践能力
の3点を身に付けた魅力ある優れた教員養成のための標準的なプログラムとそのレベルアップを図ることを目的として、講義・演習及びe-Learning等の多様な方法で利用できるモジュール型コア教材を共同開発し、各大学において受講学生との協働により発展させるとしています。
 そのために、3編にわたり各大学の教員がコア教材と呼ばれる「モジュール型講義のコンテンツ」を作成し相互利用すると共に、全国の大学にWebコンテンツとして提供し、活用を図ろうとしています。本年度は、各大学が独自の講義を作成しているとのことです。なお、参加大学は、東京学芸大学、福島大学、埼玉大学、上越教育大学、琉球大学の5大学です。
 一方、以下のような問題点もあるとのことです。
 ・モジュール型とは言いながら、長いもの(30分を超す)ができてしまっている。
 ・あまり細切れモジュールにすると、全体の流れが見えなくなるため、混乱を来す場合がある。
 ・教育実践編では、子どもたちの顔や声が入っているため、プライバシー保護に苦慮。
 ・教育臨床編のコンテンツは、アニメーション・イラストで構成されているので、プライバシーに  関して問題は少ないが、音声を入れていない(テロップだけ)ので見る方が非常に疲れる。
 今後は、本年度中にコンテンツを完成させ来年は「システムの評価」をしたい、2008年2月中旬にフォーラムの開催を予定している、今回のコンテンツが現場の先生の使用に耐えうるかどうかの評価がほしいとのことでした。コンテンツはGP事務室においてありますので、ご覧ください。
 なお、東京学芸大学では、新課程の定員を100名程度教員養成課程に振り替える予定であり、それに伴い教員組織も一部振り替える、小学類(香川大学では、講座・領域に相当)で分けて入試をするため、1名の受験者に、3名の人員が必要であることが効率面から問題になっている(例えば、音楽では楽器ごとに実技試験を行っている)とのことでした。


■ 今後のコロキウム・シンポジウムの予定

 事例研究コロキウム 第3回:11月17日(土曜日)13:30〜;研究者交流スペース
           第4回:12月15日(土曜日)13:30〜;研究者交流スペース

 公開シンポジウム  3月8日(土曜日)高松市商工会議所会館