香川大学教育学部・大学院教育学研究科                   No.12
教員養成GP  ニ ュ ー ス レ タ ー
 
                               教員養成GPプロジェクト
                               実施委員会  '07.2.7

 
第4回事例研究コロキウムでの話題提供チームが決まりました
 
 今年度最後の事例研究コロキウムが、次の要領で開催されます。
 
  ○ 日 時  2月17日(土曜日)13:30〜16:30
  ○ 場 所  教授法演習室
  ○ 話題提供チーム  
     ・亀阜小学校チーム「亀阜の教育から考える」
     ・坂出西部小学校チーム「小学校におけるキャリア教育の可能性」
     ・氷上小学校チーム「音楽科の基礎学力を培う実践創造への取り組み
                 ― 協力校担当教諭との継続的協議を経て ―」
 
 多くの皆様のご参加をお願いいたします。

◆ 事例研究コロキウムの趣旨 ◆

 事例研究コロキウムは、いわゆる研究発表会ではなく、本プロジェクトに参加している大学院生のチームが公立の研究推進校の研究に参加して実践的・体験的に習得した教育実践の事例についての話題を提供し、それをもとに参加者全員が自由に意見を交換する場です。また、意見交換を通して、事例に含まれる問題を発見し、その解明に向けて協働して検討を加え研究交流を深めることを意図しています。
 
 
教員養成GP情報:早稲田大学教員養成GPの取組
                                    倉 良一
 
 平成181215日から16日にかけて、早稲田大学教育・綜合科学学術院教員養成GP室を訪問するとともに、同大学の教員養成GPの一環として開催された講演会に参加しました。以下、同大学を訪問して得られた知見をご報告します。
15日の午後は、西早稲田キャンパスに設置されている教員養成GP室で、教員養成GPの担当者から、同大学のGPプログラムについての説明を受けるとともに、関連する資料を頂きました。
早稲田大学教育学部では、2005年度に採択された「教育臨床を重視した教員養成強化プログラム−開放制を基盤とした早稲田モデルの提案−」と、2006年度に採択された「言葉の力を創生する教員養成プログラム−世界へひらく国語教育のために−」という二つのプログラムが進行中とのことでした。
                                  (裏面に続きます)
前者は、@意欲的な教員志望学生を対象とした教育臨床を重視した科目の開設、A教育委員会と連携した現職研修、B教育綜合クリニックの開設と学生の実地研修から構成されているとのことです。後者は、国語教員を目指す学生のためのもので、@国語総合のための教育講座、A付属・系属校・協力校と連携した現職研修、B中等教育課程の国語教育に特化した教育相談から構成されているとのことです。
同大学の教員養成GP室は、コンピュータ室を転用したもので、その面積は、香川大学教育学部の第3会議室よりも少し狭い位でした。この部屋の面積に、同大学の意気込みを感じました。また、2005年度に採択されたプログラムの中間報告書も拝見しましたが、ハードカバーで、厚さが3.5センチの立派なものでした。
16日には、午後1時から、西早稲田キャンパス14号館503教室で開催された講演会「非行問題の理解と対応−中学生の非行問題を中心に−」に参加しました。講師は、埼玉県警生活安全部少年課少年サポートセンター所長の湯谷優氏で、この分野では先駆者的な存在とのことでした。
講演では、湯谷氏は、まず、中学生の非行を、@非行文化型(家庭環境が非行に親和的であるタイプ)、A人格未成熟型(年齢相応の発達がなされていないタイプ)、B免疫不全型(強引に引き込まれるタイプ)、C挫折型(重圧に潰れたタイプ)の4つに分類し、それぞれのタイプの特徴と対応法を説明されました。
つぎに、非行少年を理解する上での一般的留意点を述べられました。さらに、非行少年に対応する際に、教師個人が直面する困難な問題点を挙げ、その上で、保護者と連携する際の留意点を説明されました。
最後に、非行少年に、学校が組織として対応する際の留意点を、学校外の組織との連携と、教員間の連携という二つに分けて説明されました。湯谷氏は、学校の外にいる者からは、教師集団は、「タテ」でもなく「ヨコ」でもない関係性の集団であると捉えることができるが、非行少年に対しては、教員が支え合う職場環境を醸成することが大切ではないかと提案されました。
 昨年の夏、私も参加している高松少年非行研究会では、『事例から学ぶ少年非行−真の少年非行対策を目指して−』(現代人文社)という本を出版しましたが、今回の出張では、少年非行の講演会に参加し、意見交換の機会にも恵まれたので、私自身、大変勉強になりました。このような機会を提供して下さったことに対して、衷心より感謝申し上げます。