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USB マウスのファームウェア問題: Blue & White G3,iMac でも出荷
USB マウスのファームウェア問題: Apple でも公表
iMac: Mac OS 9 で音声が一秒遅れる
OpenGL 1.1.2 インストール時の障害 (継続)
Internet Explorer の不安定:インターネット設定との関係
EGWORD Ver.10:移行ツールで EGBRIDGE ユーザ辞書が引き継がれない
PowerBook G3 Series のノイズ
Power Mac G4 (AGP Graphics): Apple システム・プロフィールの PCI スロット表示
よもやま:カラープリンタを買ったこと (その 3)
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[ 99/11/24]



● USB マウスのファームウェア問題: Blue & White G3,iMac でも出荷


99/11/17 項目 "Power Mac G4:マウスポインタが一方向にしか動かない" で触れた, USB マウスが水平か垂直の一方向にしか動かなくなる障害は, Power Mac G4 だけでなく, Blue & White G3, iMac でも出荷されていて,それらの機種で起きることがある.

障害が発生した場合に, USB 接続口からいったんマウスケーブルを抜いて,再び接続しなおすと障害が改善される場合は,ファームウェアに異常のあるマウスである可能性が高い.米国 Apple では交換に応じているようだが,国内でどのように対処するかは不明.

追記:
この問題は, iMac,Blue & White G3, Power Mac G4 付属の Apple 製 USBマウス/キーボードの電気系統の問題から,ファームウェアがその過電圧を誤認することによるという情報がある.また, Macintosh 自体フリーズすることがあるという.

アップルは国内で販売された製品について問題がある場合は,販売店またはアップル認定サービスプロバイダで交換しているようだ.



● USB マウスのファームウェア問題: Apple でも公表


上記項目について, Apple は TIL: 25066 : USB Mouse: Intermittently Loses Tracking In One Axis を公開した.私の報告が追認された形であるが,該当するマシンに関しては触れられていない.また, 99/11/17 項目 "Power Mac G4:マウスポインタが一方向にしか動かない" に私が書いた障害のあるマウスの Apple の在庫はほとんどない (つまり,これから出荷される分には問題が起きる可能性が少ない) ことにも触れられていない.



● iMac: Mac OS 9 で音声が一秒遅れる


iMac DV など新出荷の iMac/Mac OS 9 において仮想記憶が使われている場合,警告音などのシステム音声が一秒ほど遅れて出てくる場合がある. DVD 再生音だけは遅れないとの報告もある. Apple ではこの問題を調査している.



● OpenGL 1.1.2 インストール時の障害 (継続)


99/11/12 項目 " OpenGL 1.1.2 インストール時の障害例" に関して,徳永氏,篠田氏からご確認,回避法をいただいた. QuickDraw 3D 関連の以下の英語版と日本語版の名前の違い (半角の"ェ"と"TM") が原因であると思われる.

・QuickDraw 3D
・QuickDraw 3D IR
・QuickDraw 3D RAVE
・QuickDraw 3D Viewer

回避法は上記 4 ファイルの名称を変更するか,カスタムインストールで QuickDraw 3D のチェックを外すことでアラートは回避できるようだ.



● Internet Explorer の不安定:インターネット設定との関係


TIL: 25065 : Microsoft Internet Explorer: Freeze At Launch

Microsoft Internet Explorer で起動時にフリーズする,内容のないダイアログが表示される,ブラウザウインドウ上部が混乱して表示される,ときどきフリーズする,といった障害が発生する場合,初期設定フォルダの "Internet Preferences" を捨てて再起動し,インターネット設置コントロールパネルから再設定するという内容.

この中で,他のインターネット関連アプリケーション同様 Internet Explorer は "Internet Preferences" を使用するので,壊れた場合に予期できない影響が出るとしている.ということは他のインターネットアプリケーションで原因不明の障害が発生する場合にも有効かも知れない.



● EGWORD Ver.10:移行ツールで EGBRIDGE ユーザ辞書が引き継がれない


エルゴソフトは移行ツールで旧バージョンのユーザ辞書が移行されないとして, EGWORD Ver.10 のインストーラで EGBRIDGE Ver.11 をインストールすると,移行ツールで旧バージョンの EGBRIDGE(EGBRIDGE Ver.6.0〜10)のユーザ辞書の引き継ぎに失敗する不具合が起こる場合があると公表した.

「EGWORD 10インストーラ」を使用した場合,簡易インストール,カスタムインストールともに, EGBRIDGE Ver.9.0 および, Ver.10 のユーザ辞書は受け継がれない.回避法は, EGWORD 10 CD-ROM の「EGBRIDGEフォルダ」内にある「EGBRIDGE 11インストーラ」で EGBRIDGE Ver.11をインストールすることで移行ツールに問題は出ない.

同ページでは引継に失敗した場合の「ユーザ辞書の結合」による修復法も示されている.



● PowerBook G3 Series のノイズ


最近 MacInTouch は PowerBook G3 Series に内蔵されているIBM ハードディスクの騒音について読者の投稿を紹介している.それによれば,IBM のハードディスクは甲高いノイズを発生させることがある.また温度も上昇する.これは IBM ドライブに起きることで他のハードディスク,例えば富士通製では起きないというし,また, Dell 製ラップトップの内蔵 IBM ドライブでも同様の障害が出るそうだ.

PowerBook G3 Series の内蔵ハードディスクのメーカは一定ではないので, IBM とは限らない. (私の PowerBook G3 Series のハードディスクは IBM 製 DYLA-28100 である.報告されるような障害は起きたことがないし,摂氏 64 度以上になることはない)



● Power Mac G4 (AGP Graphics): Apple システム・プロフィールの PCI スロット表示


Apple システム・プロフィールを開いて "デバイスとボリューム" タブから確認できる PCI スロットは以下のようになっている.同じ種類のカードを使っている場合にスロット名で区別することになる.

A スロット: AGP
$12 スロット: PCI

なお,TIL: 58420 : Power Mac G4: Use Apple System Profiler to Identify Video Card の記述では製品名に続いて AGP か PCI と表示されるとなっているが,これは誤っている.ベータバージョンの Apple システム・プロフィールに基づいているためであるが,現時点でも修正されていないようだ.



●よもやま:カラープリンタを買ったこと (その 3)


EPSON LP-8200CPD という PS カラーレーザプリンタを購入したのだが, PS プリンタとして認識されなかった.それは PS の ROM が組み込まれていなかったためであると判明した.しかし, ROM を組み込んでも認識はされるものの,依然としてプリントできなかった.セルフテストが実行されない.夜も遅くなりそうだったので,セルフプリントの液晶表示が点滅するまま私は帰宅した.


「解決」

翌朝,プリンタはセルフテストの点滅を繰り返すままだった.一晩たっても出ないのだからこれは出ない.セルフテストがだめなのだから,私にはもうすることはない.サポートに電話してみるか,販売店の方に電話してみるかだ.

EPSON のサポート (インフォメーションセンター) に電話してみた.大阪,広島,博多を順繰りに電話してみて,何巡目かにやっと呼び出し音が鳴り,これからつなぐから順番を待っていてくれというテープの案内になった.しばらく音楽を聞かされて,つながった.ラッキーだ.

サポートの方に相談して,操作パネルで PS メニューについて, PS と他のモードとの自動認識をマニュアルで PS に固定してみてくれということになった.(と,こう書くと簡単なようだが,実際は新製品でもあり,サポートの方も何度も席を外して調べに行ったりで結構な時間が経っている)

昨晩の段階でも私は PS 関連の設定を片っ端に自動からマニュアル固定にしてみていたのだが,操作パネル迷路のため,設定しきれず,自動認識のまま残っていた項目がまだあったのだ.

さて,その指示のように操作パネルのボタンを押していったところ,私には出せなかったメニューが出てきて,そこを自動認識から PS 固定にした.そうしたら,あっさり, PS データシートのセルフテストができた.

(前回最後の予告で "解決編" と書いたため,どんな解決か期待なさった方々には,月並みなことで申し訳ない.単に文章が長くなったので分割しただけでした.)

サポートの方は Illustrator など他の出力からもテストしてみて異常がないか確かめて欲しいとして,再度,再三,異常がないかお電話をいただいた.大変丁寧な応対で感心した.


「今回起きたこと」

しかしである.サポートの方の対応には感謝するが,もともと延べ半日に渡る私の時間の無駄遣いは困ったものである.出荷されたばかりの初期製品にはいろいろ不具合もあるとは思うが, ROM が取り付けられていないなどということが普通のことなのだろうか.今回以下の経験をした.これら私の経験したことは私に非があることではないだろう. (もちろん ROM のことはたまたま私のところだけで起きたレアなケースだったかもしれない)

・ PS ROM が組み込まれていなかった.
(増設メモリもメーカによって装着されていなかった.カタログでは同時購入時には装着されると読める)

・目の前の機種が分からない.
( 50 万円の LP-8200C なのか 70 万円の LP-8200CPD なのか外見からの違いがなく,ネームプレートやマニュアルに異なった製品名が記載されている.共用なのだろうが,それなら共用と分かるようにしてもらいたい)

・ マニュアルの誤記載
(後かたづけをしていたときに, PostScript の箱には設置責任者宛の ROM 装着法の紙切れがあったことが分かった.しかし,それは私が読むべき紙切れではない)

・プリンタのモード自動認識が適切に機能しない

私は PS プリンタを 2 台ほど経験していたが,初めて PS プリンタを経験するユーザは私以上に途方に暮れていたはずだ.初めて PS プリンタを購入したユーザが ROM の装着されていない PS プリンタを使えるようにできるとはとても思えない.(私は別に怒っているわけではないので誤解のないようにお願いしたい.今このように振り返ってみるに,プリンタの性能には満足しているので,おもしろがっているというのが正直なところ)


「実効解像度」

EPSON LP-8200CPD プリンタエンジンの解像力は 600dpi である.トナー方式の場合,プリンタエンジンの解像度の半分程度が実際の解像度であると言われている.

プリンタの実際に有効な解像度は解像度テスト出力を行ってみる.私はカメラの解像力テスト図形をヒントにして,独自に考えたチャートを何年か前に作っている.それを使えば,解像度は一目瞭然である.それを格好良くして, PDF 化もして公開しようとずっと思っているのだが,なかなか時間がない.今回もそのデータを出力して試験した.

EPSON LP-8200CPD の実効解像度は一般的に言われる数値と同じ程度だった. 300 dpi でよく,用紙の違いの影響はあまりない.



「その他」

EPSON LP-8200CPD について,いくつか気がついたことがある.

・PostScript モードで使用する場合は,メモリは 160 MB 以上必要であると書かれている. PS プリンタとして使用しない場合は LP-8200C を購入するはずで,だとすれば,メモリ別売りの仕様は無意味ではないだろうか.また,これからこの機種の購入を検討されている方には重要な注意点だろう.

・ハードディスクは付けなかったのだが,出力できない状態のときに,ハードディスクがないからだろうかとも思った.しかし, PS 出力にハードディスクは必要最低条件ではなかった.問題なく出力可能である.(出力したいデータによっては必要だろう)

・ A3 ノビ用のオプション用紙カセットは本体用紙カセット部にしか挿入できず,増設カセット台には使用できない.本体の用紙トレイはA3 ノビをセットできるので,あまりこの A3 ノビ用カセットは意味がないように思った.

・100 パーセント PS プリンタとして使用するにしても, QuickDraw 用ドライバはインストールしておいた方がよい.これは "EPSON プリンタウインドウ!3" というユーティリティが使えるからだ.プリンタの状態把握がこのユーティリティによって楽にできる.例えば,紙詰まり時にはプリンタの液晶パネルではどこに詰まっているのか分からないのだが,この "EPSON プリンタウインドウ!3" では詳しい場所まで表示されるのだ.そのほか,トナー残量,感光ドラム類の寿命なども表示される. "EPSON プリンタウインドウ!3" を使用する際は QuickDraw 用ドライバを選択せねばならない.

・ Mac OS 9/LaserWriter 8.7 の出力に問題はない.

・プリンタユーティリティでのプリンタ名称が変えられない.ネットワークで使用する際には名称は変えたいのだが.

・ドライバの仕様だろうか, PowerPC 以上の Macintosh に対応と一応はなっている.

・まだ,私はテストプリントしかしていない状態であるので,学生の出力した結果だけからの判断なので間違っているかも知れないが, PostScript 出力時に網点が形成されず, QuickDraw 出力時に網点が形成される.これがよく分からない.この現象は実は PM-3000C でもそうだった. PM-3000C をソフトウェア PostScript RIP で出力しても網点が形成されないのに対して, QuickDraw ドライバからは網点となるのだ.???


「最後に:再び PostScript プリンタの長所, QuickDraw プリンタとの比較」

PostScript プリンタの長所についてすでに最初に書いている.そこでは環境に左右されない安定かつ信頼できる品質の出力ができる点をあげた.私は他にも PostScript プリンタの長所があると思っている.それはエラーが起きにくい,あるいはどのプリンタでも仕様や障害対処法が共通であり,そのために比較的安定して運用できるという点である.

これは PostScript としてどの PS プリンタも仕組みやドライバが同じだということからくる. PS プリンタのドライバが各社で名称やアイコンが異なることがあるが,元は Adobe の PS プリンタドライバである. Apple の LaserWriter ドライバも根本は同じものである.後は個々のプリンタ特性を記述した PPD ファイルさえあればドライバは共通である.

こうしたことから,プリンタが異なっても,障害が発生した場合の対処法はほとんど何も変わらない. PostScript のバージョンが低い場合は別であるが,レベル 2 以上であれば,非 PostScript プリンタより抜群に安定していると言えると思う.また, PS プリンタは Ethernet 接続して使うことが多いと思うがその点からもノウハウは共通である.

PS プリンタに比較して,非 PS プリンタは各社によってハードウェア,ドライバ,ネットワーク通信関連の仕様など全く異なるし,同じメーカーであってもモデルによっても異なってしまう.その製品独自の機構などがあり,エラーも千差万別で,個々のプリンタごとにノウハウを蓄積しなければならない.それなのに,新機種を購入するとそれまで蓄積されたノウハウはほとんど役に立たなくなってしまい,一からやり直しになる.プリンタを複数モデル使用している場合,これは大変頭が痛いことである.

今回のよもやまの最初に "インクジェットプリンタでの模索" を書いた.これは Macintosh の処理能力が上がり, ATM フォントの種類も増え,Illustrator から何の問題もなく QuickDraw 出力できるようになり,さらに, PDF 日本語フォント埋め込みが可能となったことを考えると, PostScript プリンタを使う意味が前ほど無くなったのではないかということであった.同じような出力ができるのであればわざわざ高価な PostScript プリンタを購入する意味はない.

PostScript 環境は印刷原稿を作成する場合必要なものであり,その意味は全く変わっていない.しかし,私の環境は,印刷原稿を作成することよりも,学生が授業や卒業制作で作品を出力することを第一の目的としている.そのような目的下では思い通りの仕上がりを得ることの方が,環境に依存しない出力環境よりも重要であるので, PostScript の長所は二義的なものである.

こうした意味で, PostScript カラーレーザを購入しなくても高解像度インクジェットプリンタであるのなら代替できるのではないかと考えたわけである.しかし,結果は "インクジェットプリンタでの模索" で書いたように現状ではまだだと判断した.それは PDF 環境がまだ現実のものというにはノウハウの蓄積等ほとんど何も分かっていないということもあるが,次のような理由であった.

・同一プリンタでの出力結果が一定でない.(インキ残量のせいなのだろうか,出力結果が一定でない.これは困る)

・プリンタごとの特性が異なる.(何人もの学生が複数モデルのプリンタを同時に使う環境では問題がある)

・出力時間が長い.

・安定しない.(アプリケーションとの相性などエラーや問題が個々にいろいろな障害が現れる.これを異なるプリンタ毎に解決していくのはきりがない)

・ノウハウが共通でないため蓄積しにくい.

・解像度が低い.(画像はいいのだが,文字部の解像度に問題がある.また,ケイの太さの正確さに問題がある)

このうちのいくつか (出力時間,出力結果が一定でないほか) はインクジェットという方式によるものかその影響が強いものであると思われる.従って,上に挙げたことは QuickDraw プリンタ一般の問題も含まれるが,全てがそうだということでない.他の方式のプリンタであれば,事情が異なるだろう.

さて,私の今回の場合だが,購入した LP-8200CPD は LP-8200C に単純に Adobe PS ROM を搭載したものであることが分かった.定価で両者には約 20 万円の差がある.もしも, QuickDraw の短所を納得して使うのであれば,わざわざ LP-8200CPD を購入する必要はなく, LP-8200C でよいはずだ.私が "インクジェットプリンタでの模索" で書いた,インクジェットプリンタを見限った大きい理由のひとつである文字の出力結果の品質の問題はプリンタエンジンが同じであれば, Type 1 フォントである限り現れないことになる.

それまで使っていた PIXEL Dio や Microline の場合, QuickDraw 出力ができないものであったので,確かめることはできなかったのだが,(当時では確かめる必要もなく明白な事柄であったからとも言える) 今回の LP-8200CPD には LP-8200C 用の QuickDraw ドライバがついている.レーザプリンタであることから,インクジェットのような出力結果が一定でないということも少ないと思われる.これらのことから, PostScript 環境と QuickDraw 環境を同一プリンタエンジンで検証できる環境であることに気がついた.時間をかけて検証していき,ある程度のことが分かったら本ページでもできれば公開したい.


おまけ「FARGO Pictura 310e」

私 (というより私のところの学生) はここまでに触れたプリンタ以外に A3 ノビ昇華型のプリンタを使用している. FARGO Pictura 310e という製品である.ある程度の大きさの昇華型プリンタが PS 対応である場合が多いのに対して,これは非対応であることに特徴がある.その分価格も半分以下で格安である.

いくつかのプリンタメーカがこの製品を OEM として採用していて,中にはソフトウェア RIP でもって PS 対応になっている場合もある.しかし,私は昇華型の場合, PS 対応はあまり意味がないと考えて PS 非対応のこの製品を購入した.というのも,昇華型の場合,解像度についてプリンタエンジンの解像度と実効解像度が同じという特性がある.そのため, RIP でラスタライズすることにはあまり意味がないと思うのだ.どうせ,同一解像度データを用意するのだから,文字でも何でも Photoshop でラスタライズすれば RIP で出すのと変わりはないはずだ. RIP と違う点は RIP では網点になるということなのだが, PS カラーレーザがある場合,昇華型でわざわざ出す必要はないので意味がない.

そのように考えてこの製品を購入したのであるが,思った通りで, PS は必要なかった.かつては Illustrator のバージョンが低い場合で Illustrator の画像が QuickDraw プリンタに出力できないということもあったが,現在ではそれも問題ない.

この製品には満足している.4 年か 5 年前に購入したにも関わらず未だにモデルチェンジがないのは性能,機能などが十分である証拠であると思っている.昇華型はその形式から,出力に時間がかかったり,コストが高いのは致し方ない.A3 ノビの出力では 603e のマシンでデータ転送に 20 分,プリンタ側で 40 分かかる.消耗品のコストは A3 ノビ一枚あたり 500-600 円必要である.

この製品を購入する際には情報が少なく,分からない点があった. PCI バス (購入当時は NuBus) 用のパラレル-シリアル変換カードが必要だと販売店に言われていた.シリアルポートはついているのだが,それは使えないと言われていたのだ.ところが,購入してみるとシリアルポートは立派に機能し,パラレル変換カードは不要であった.変換カード経由よりもシリアルポート接続の方が安定している.(変換カード用ドライバがコンフリクトを起こしやすい)

購入した当初は製品とマニュアルだけでの設置では運転は困難であり,出力途中の段階でプリント終了するため,サポートとのやりとりが必要であった.リボンの認識のタイミングについて調整が必要であり,輸入元のサポートから適切な助言を得ることができた.マニュアルの説明図はわかりにくく,リボン装着の天地がわかりにくい.

昇華型以外に溶融型としても使用できるのだが,品質も落ちるもので,コストが安いからといって溶融型リボンをわざわざ購入して使うのは無駄であった.品質,コスト,出力時間など全ての面で,インクジェットなど他の方式のプリンタで出力する方が溶融型で出力するよりはるかにましである.

FARGO 社のページではドライバが更新され続けていて,国内の一部インクジェットドライバのような無責任なことはない.(といっても最新版は 1997 年のまま.) Pictura QuickDraw ドライババージョン 4.6.5 は製品購入時のドライバより安定して問題はほとんどないが,スプールファイルを自動で削除してくれないというバグ?がある.



(C) Akiyama Satoru



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