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Description"CONTENT="仮想記憶とディスクキャッシュの最適値
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[ 99/7/18]



●仮想記憶とディスクキャッシュの最適値


7/14 項目 "よもやま:最近の私のメモリ関係の設定値" 公表以来,いろいろなご意見をいただくようになった. 7/14 項目はお読みいただいたように,私の体感的な印象(よく言えば感覚的経験)に基づいた設定値であった.それでいいと思っていたし,新たに確かめる必要もないと思っていた(つまり自分の感覚に自信はあった)のだが,よもやまとはいえ,本ページの影響が少なくないことを考慮して間違ったことを書いていてはいけないと思い,実際に計測してみた.

以下,「仮想記憶」と「ディスクキャッシュ」の設定をいくつか組み合わせて,効果が反映しやすく計測しやすいと思われた「起動時間」と「コピー時間」について手動計時してみた.マシンは PowerBook G3 Series 300MHZ 192MB Mac OS 8.6 HFS+ である.仮想記憶は HFS 専用パーティションに設定している.マシンは通常私が使用している状態としたが, AppleTalk は切った.192MB RAM 搭載であるが, RAM ディスク,ATMキャッシュなど差し引くと,実際に使用できる実メモリは 174 MB である.


「仮想記憶設定値」

・仮想記憶オフ (174MB 使用可能メモリ)
・仮想記憶オン/最小設定値 (175MB:174実メモリ+1MB)
・仮想記憶オン/最適範囲内最大設定値 (260MB:174実メモリ×150パーセント)

「ディスクキャッシュ値」

・128K(設定可能最小値)
・2016K
・3008K (私の設定値)
・4000K
・5568K (初期設定値)


起動時間は再起動(ウォームスタート)し,起動音がした時から,起動項目フォルダ内の項目の実行終了までの時間を計測した. Finder コピーについては,大小いろいろなファイルが 549 項目入っている 46.5MB のフォルダをコピーした.また,参考に Speed Doubler を使用した場合をいくつか計測している.

以下,結果である.単位は秒.数値が小さいほど高速.細かく解析する必要のない方は以下の表をとばして,後のグラフ化した図を参照した方が解りやすいだろう.

ディスクキャッシュ値
仮想記憶オフ (使用可能メモリ174MB)
仮想記憶オン+1MB (175MB)
仮想記憶オン150% (260MB)
 
起動時間(秒)
コピー時間(秒)
起動時間
コピー時間
起動時間
コピー時間
128K
163.66 42.29 167.57 43.77 167.45 43.67
2016K
104.41 41.64 99.74 45.19 100.32 41.34
3008K
97.51 34.50 98.04 33.26 98.18 34.39
4000K
95.96 37.22 97.66 37.20 97.43 36.56
5568K
97.13 34.95 98.18 35.79 96.12 35.32

次は Speed Doubler 使用時.(- は未計測)

ディスクキャッシュ値
仮想記憶オフ (使用可能メモリ174MB)
仮想記憶オン+1MB (175MB)
仮想記憶オン150% (260MB)
 
起動時間(秒)
コピー時間(秒)
起動時間
コピー時間
起動時間
コピー時間
128K
134.59 62.91 - - - -
3008K
96.35 46.31 97.68 45.34 97.25 45.98



Excel でグラフを作成してみた.起動時間とコピー時間とにそれぞれ分けて二つのグラフになっている.実線で結ばれた 3 点が同一のディスクキャッシュ設定値であり, 3 点の違いは仮想記憶の設定の違いを示している.高さが低いほど高速.

Chart1 Chart2


「分析」

・仮想記憶設定とディスクキャッシュ間に相関は見られない.
・仮想記憶は切った方が速い場合が多いが,その差は大変小さく,場合によって逆転がある.
・ディスクキャッシュを最小に設定した場合,起動時間とコピー速度いずれも明らかに遅い.
・ディスクキャッシュ 2000K-5568K 間で,起動時間に差はほとんどない.
・ディスクキャッシュ 2000K のコピー速度の成績が大変悪い.(2000K で 128K より成績が悪い場合については複数回計測し直して確かめている)
・コピー速度は ディスクキャッシュを 3000K より大きく取ると差は小さいながら逆に遅くなる.
・ Speed Doubler を使用すると,起動時間についてディスクキャッシュが少ない場合でもかなりの改善があるが,ディスクキャッシュをある程度設定するとあまり差がなくなる.
・ Speed Doubler のコピー機能を使用すると 3-5 割程度コピー速度低下が顕著となる.


「結論」

・仮想記憶の設定値による差はほとんど無視できる程度である.従って,計測値の中では仮想記憶は 150 パーセントの設定が有効である.
・ディスクキャッシュは 3000K 程度が効果的である.
・ Speed Doubler のコピー速度低下は著しい.

全体として,私がこれまで書いてきたことを概ね確かめることができた. Speed Doubler のコピーについては,常日頃使っていて感じていたような結果となった.通常のコピーではこのような結果となったが,私は同期や差分コピーを併用すると全体としては Speed Doubler を使用した方が(かなり)速いと考えている.

これらの結果については,あくまでの私のマシンの場合であることを断っておく.G3 マシンより以前のマシンで仮想記憶を用いると,本結果とは著しく異なった結果が出るはずだ.G3 マシンでも,バックサイドキャッシュの値によっては違った結果となるかもしれない.(私のマシンは 1 MB)

仮想記憶の設定で差が出ないと書いたが,それはここで計測した機能についてである.仮想記憶を使用すると必ずハードディスクへの書き込みが起きるわけだから,その時間は確実に遅くなるはずだ.しかし,それでも G3 マシンでは仮想記憶を使用する方が有益な時代になったと言える.(仮想記憶をオンにした場合には障害が発生するアプリケーションや機能があることも十分に踏まえて参照いただきたい)

ディスクキャッシュは起動時間,コピー速度以上に他の Finder 操作への影響があるが,それは今回計測していない.(計測が簡単でないため.ただ,あまり今回の結果とかけ離れたものにはならないだろう)



(C) Akiyama Satoru



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