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[ 98/7/23]


● Office 98 のセキュリティ問題(1):マクロウイルスの放置

Office 98 について日本での発売期日が決まり,私のところにも Microsoft から電子メールによるお知らせが届いた.多くの人が使うアプリケーションについてとやかく言いたくはないのだが(私自身 Excel ユーザである),これまで Office 98 については特に MacInTouch がセキュリティに関して問題を指摘している.

それらの指摘があるにもかかわらずこれまで私がこのページで触れてこなかったのは,単に日本で未発売であったこともあるが(先行する英語版で問題が発生しても日本語版で問題が修正されることは多くのベンダーでありうる.しかし, Microsoft についてその可能性がどうかはわからない),セキュリティについて私とは多少考え方が異なる点があるように思ったからだ.

一番指摘されている問題についてはその扱い方に釈然としない面がある.私自身は Microsoft が仕様として組み込んだ機能の方が問題のように感じる.(次項目参照)しかし,それ以上に私は今回のセキュリティ問題の陰でかえって重大な問題が指摘されにくいままになっていると思う.さらに重大な問題とはマクロウイルスのことである.

多くの雑誌, Web でこのことが指摘されていない.その陰でマクロウイルスを理由として Office をアップデートしない,あるいは使用していない企業はたくさんあるはずだ.ある省庁でマクロウイルスに感染したファイルが配布された事件も,その省庁ではマクロウイルス対策のため Excel は 4 バージョンのままであったのにたった一台のマシンでのみ使用されていた 5 のバージョンのためにセキュリティホールが生まれ,マクロウイルス感染が起きたと私は聞いている.

この例に漏れず,マクロウイルスの被害は深刻である.その対策についてもっとも完全かつコストのかからない対策はマクロを使用しない旧バージョンを使用し続けるか, Microsoft 製品を使用しないことなのである.

幸い Macintosh ユーザにはほとんどのマクロウイルスが機能しないか不十分に機能するだけである.しかし,スタンドアローンで使われるコンピュータは最近ではあまりない.現在のところ深刻な被害がない Macintosh であるが,かえってそのことが PC と混在するネットワーク環境ではセキュリティホールとなる可能性がある.私としては他のユーザから送られてきた Word や Excel の該当バージョンのファイルについていちいち気を配らないといけないのは結構迷惑である.

複数のコンピュータやネットワークでマクロウイルス対策を講じる費用や労力も莫大なものであるはずで,それだけの対費用効果が Microsoft 該当製品やアップデートにあるかどうか考えるべきである.仮に PC でいくつかの凶悪なマクロウイルスに感染した場合の被害は甚大である.それらのリスク,その場合の回復の費用なども当然考えに入れるべきだ.

今回のアップデートで私は Microsoft がマクロウイルス対策をどのように講じるか注目していた.私にはマクロウイルスが Microsoft の将来を左右しかねないほどに重要な問題だと思われたからである.ところが, Microsoft は全く対策を講じないばかりか,将来に渡って変更する意志のないことを明らかにした.

多くのコンピュータ関連雑誌,マスコミではこうした問題を指摘しない.ある公共性の強い TV 局はかつてマクロウイルスについて取り上げた特集番組で,マクロウイルスがコンピュータ全体の一般的問題であるかのように扱い,特定のアプリケーションでのみ起きることや根本的な解決法( Office を使用しない)についてついに指摘しないままで 20 分の番組を終えた.

他の放送局のニュースなど私の目にした TV 番組は多かれ少なかれ同様である.この傾向は,多くの納得できる内容の記事を掲げている TidBITS についてさえあてはまる.私にはこれらのことが意図的に行われている(あるいは行われていない)という以外に理由を考えることは難しい.

(先の放送局はまだ取り上げただけでも評価するべきなのかもしれない.最近見た同放送局のニュースではさすがに製品を特定していたので多少は是正されているかもしれない.しかし Office を使わないという効果的対策は伝えなかった)

長々と書いたが, Office 98 には解決されていない深刻かつ重大で広範囲に多大な影響を与え続けているマクロウイルスの問題が持ち越されている. Office 98 を新たに導入する,またはアップデートするユーザはそのソフトとその新しい機能にマクロウイルスの危険(例えば C ドライブの内容を全て消去するといった)をおかすだけのメリットがあると判断したと思いたい.

Macintosh の Office ユーザは次のことを知っておくとよいだろう.

Win ユーザからのファイル(電子メール添付ファイルももちろん含まれる)でも感染する場合がある

Macintosh で症状がなくても Win ユーザに渡した感染ファイルは元通り凶悪なファイルとなりうる

Word マクロウィルスの場合,Macintosh 上で感染ファイルは全てテンプレートとなり,感染ファイルのアイコンが変化する
( Excel にはあてはまらない.この部分,澤畠氏のご指摘により加筆した)

そして最後に,
Office または Excel 5, Word 6 以降を使うのは常に感染と隣り合わせとなる

Microsoft 製品にとりつくマクロウイルスについては「 Macintosh のコンピュータウイルス」を参照願いたい.また,Virtual PC,SoftWindows ユーザ, Pentiumプロセッサカードユーザはその環境では Macintosh の環境でなく, Windows 環境と同様のマクロウイルス対策を講じる必要があることも付け加えたい.


● Office 98 のセキュリティ問題(2): Word のセキュリティ問題

ネット上で最近指摘されているものは,主に MacInTouch で取り上げられ指摘された問題である.これまで以下のようなところで指摘された.

Office 98: Security Issues
Troubleshooting Microsoft Office 98
AutoStartとWord 98の隠し機能は警戒が必要
MacWEEK-J「 Word 98 のセキュリティ問題 」
セキュリティへの注意を促すAutoStartとOffice
OLE の副作用:文書のセキュリティを考える
Office 98 Macintosh Edition Known Issues

問題は二つ指摘されている.

ひとつめは Word 98 で保存したファイルにユーザのコンピュータのパス名やハードディスク,メモリの内容が書き加えられているということである. Word の書類を保存したときにユーザが最近消去した他のファイルが書き加えられてしまうという.

Microsoft は patch for Office 98 というパッチを最近配布した.日本語版がどのような状況で発売されるかは不明である.

この問題は Microsoft OLE の問題であると指摘されている.そのため Office 98 では Word 以外でもこの問題が起こり, Office 98 以前のバージョンの Microsoft 製品でも起きると言われている. Microsoft は Mac OS の問題から発生すると言っているようだが, Windows でも発生すると指摘されている. Microsoft OLE の機能であるので問題はこれを利用する他のアプリケーション( PageMaker など)でも起きる.

私が確認した範囲( Word 6. PageMaker )ではハードディスクのパスなどが判ったが,メモリやハードディスクの一部ファイルが付け加えられることは確認できなかった.私は実は Microsoft の機能拡張類はそのほとんどをアプリケーションルートに置いて,システムに読み込まないようにしている.そのことが関係しているのだろうか.(だとすれば,簡単な対策かもしれない)

この問題は私が試して出たようなハードディスクの名称が判る程度であるとすれば,結構いろいろなケースがいろいろなアプリケーションのファイルであるので,これほど問題にするべきものかどうかと私も思うところがある.(私のテストが足りないかもしれないことは強調しておく)

パッチを使う以外でこれまで伝えられている回避法は,全く新しく初期化したディスクにファイルを新規保存することである.

もうひとつの指摘されているセキュリティ問題は Microsoft がユーザに隠して意図して組み込んだ仕様であり Microsoft がこれを改める気はないようだ.

Word 98 で HTML ファイルを開くと Word 98 はインターネットを通じてユーザのアプリケーションのバージョンとコンピュータのホスト名(または IP アドレス) を密かに Microsoft 社に報告するようになっているという.アプリケーションが古いバージョンであれば Microsoft は新しいバージョンのアプリケーションがあるという通知を行う. HTML を Word 98 で開いたときにメニューに「 AutoUpdate 」という項目が現れるという.


● PowerBook G3:音量最大で音が出ない

Apple 7/20 は外部スピーカを接続していない PowerBook G3 で音量を最大かそれに近くしている場合,音が出ないか音がつまづく( stutter )としている. Mac OS 8.1 で音源がなしか内蔵マイクになっていると起き, 8.0 では起きない.回避法はコントロールバーなどを利用して,音量を下げるか音源を他のものにする.次期 OS で対応する.


● HFS + : Finder メニューの初期化とドライブ設定の初期化

TIL: 30621 : Mac OS Extended (HFS+): Erase Disk vs. Initialize

HFS + にするためには二つの方法がある. Finder メニューからのディスクの初期化は選択されたパーティションを初期化するだけであるのに対して,ドライブ設定の初期化はパーティションマップやブートブロックを作成する.

サードパーティのハードディスクソフトウェアで HFS + を使用する場合は, HFS + フォーマットとの互換性を説明書で確かめるか,各ベンダーに連絡を取ること.


● QuarkXPress 4.0 と ATM Delux 4.0.3J の問題

山岸氏からお知らせいただいた. QuarkXPress 4.0J と ATM Delux 4.0.3J を使用していると, Quark で用紙設定を開くとアプリが突然終了する. ATM Delux 4.0.3J を ATM 4.0.2Jと入れ替えると問題ない.また, QuarkXPress 3.31r7J とATM Delux 4.0.3J では問題は発生しないそうだ.

私は ATM Delux は使っていない.いくつか Quark や他のアプリケーションにも問題が起きることを聞いている. ATM Deluxe Preferences やフォントが壊れているということも可能性としてはある.また, Quark は LaserWriter ドライバのバージョンによっては用紙設定で上記のような問題を起こすことがあるようだ.

追記:
山岸氏から全く新しいボリュームに システム・ Quark ・ ATM Delux のクリーンインストールをしてみると動作するとお知らせいただいた.(既存ボリュームへの各々の新規インストールでは問題は解決しない)

中村氏からは,この問題は ATM Delux に限らずマスタージャグラーでも起きることがあり,原因は ASL Font など丸漢フォントを伴わないフォントをインストールしてあると用紙設定で障害が起きることにあるそうである.私も ASL Font に関しては様々な問題を経験したことが過去にある.

上記の項目,および,回避された事例はこれらフォントの問題のようにも思えるが,山岸氏によれば,不思議なことにその新たに作成したファイルをこれまでのシステム,アプリケーションで開いても正常に動作するという.

中村氏はクォークジャパンに問い合わせたところ,同様の苦情が寄せられているという事でこれから検証してみるとの回答であった.


● Mac OS 8.1 : 4400 の起動問題:TIL

TIL: 30627 : Power Macintosh 4400: Mac OS 8.1 Installation Issue

4400 と 7220 で起きている Mac OS 8.1 での起動問題(ハピーマックでハングする)について Apple が Tech Info Library で公表した.内容的には新しいものはあまりなく,メモリが壊れているという以上に原因を述べていないのでかえって誤解を生むのではなかろうか.

症状として,ハッピーマックでハングする以外にそれ以後の起動シーケンス中にハングする場合があることが述べられている.それはメモリの不良領域がどこに出現するかに依存すると述べられている.

この問題の詳しい原因については 6/26 項目「 4400 /Mac OS 8.1 の起動問題: Apple の説明」に書いてある.


● HP DeskJet 850C とキーボード設定

浦田氏からいただいた.Mac OS 8.1 で「キーボード」コントロールパネルの設定の「繰り返すまでの遅れ」を切ると Hewlett-Packard DeskJet 850C で複数ページをプレビューすると 2 ページ以降の表示に極端に時間がかかるようになる.

追記:
当初項目を Design Jet としたが,DeskJet 850C の誤りであった.上記項目は訂正している.


Be'sCrew 2.1.3アップデータ

G3 Rev.II の IDE マスタースレーブ接続に対応など.B's Crew 2.1.1 では Macintosh 再起動後に内蔵 ATA ドライブのライトキャッシュがオフになるという問題があったが,改善されているかどうかは不明.


[その他]
Disk Copy 6.3 Scripts.smiセルフマウント形式のイメージファイルを作成する AppleScript など



(C) Akiyama Satoru



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