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ディスク診断修復プログラムの使い方

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●おことわり
ここに書かれたことの責任は私にありますが,そこから派生する何らかの事態までも責任を負うものではございません.ご自身の責任でお願いいたします.もしも記載した内容等で誤り他がございましたらお教え下さるようお願いいたします.
ここに書かれた内容,情報,ノウハウの多くは私のオリジナルですが,ここに書かれた知識を実行されたり,リンクを作成されることは全く差し支えございません.

(C)Copyright1996 Akiyama Satoru.
E-mail:akiyama@ed.kagawa-u.ac.jp



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この記事は少し長くなるので最初に目次を兼ねた要約をしておく.


要約

データを救う手段としてセーブとバックアップにすぐるものはない.

ディスク診断修復プログラムは,ディスクに異常が出た場合や,ディスクに異常が発生しうる事態が起きた直後に実行する.

ディスク診断修復プログラムには限界がある.システムエラー,ファイルやアプリケーション,システムの異常,ハードウェアの異常には,ほとんど意味がない.

ディスクの書き込まれた状態以外に問題がある場合,ディスク診断修復プログラムは誤った診断を下し,修復させるとデータを失うことがある.

診断は市販プログラム,修復は Disk First Aid に行わせる.

市販プログラムでの修復は最後の手段とすること.

市販プログラムは周辺のプログラムに問題がある場合がある.

FileSaver で問題が起きる場合がある.

SpeedDisk などで問題が起きる場合がある.

周辺プログラムによる他の問題

初心者は市販プログラムを使用すべきではない

その他 - 私の使い方, Norton への誤解など




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前置き

私が約1年前,95年10月に「漢字 Talk7.5.2 (と PCI-Mac の)問題点と注意点」を公表して,その中で Norton に関して記述した内容は,多くの人にとって意外な記述であったようだ.
(私はその中で, Norton が場合によってはデータを消失させてしまう危険な道具になってしまう,と書いた)

当時, Norton は少なからずの人にとって絶対の信頼があると考えられ, Norton の能力外のことまで解決するように信じられ使用されるという,一種の盲信を私は見聞きしている.私が書いたことで, Norton への盲信に疑問を持っていただけるようになったことはよろこばしいと思うのだが,それまでの Norton への過大な期待が裏切られた反動か,Norton に必要以上の不信が生じているようにも思える.
ちょうど,そのころ普及した Netscape のバグがその傾向に拍車をかけたかも知れないし,当時の Norton のバージョンがまずいことに「予備パーティションエラー」を報告するようにできていたことも不信を深めたように思える. 私の責任というわけではないのだが, Norton の能力について限界があることを警告したのは私であった.しかし,一方で System 7.5.2, 漢字Talk 7.5.2 での Norton の問題は Norton のプログラムに問題があったわけではなく,誤解が生じていると思われる.必要以上の Norton 不信の記述を見かけることは本意ではないのでここで少し書いてみたい.また,ここにはオリジナルな情報を少なからず記載した.注も含めて全文を通読なさることで有益な知識,情報を入手なされれば幸いである.


前提

最初に断っておきたいのだが,データを守る最良の手段はセーブとバックアップである.また,ディスク診断修復プログラムを使用しないですむように,システムエラーなどが起きにくい安定した使用法を心がけておくべきである.ディスク診断修復プログラムは,それらができている前提での次善の策であることをまず確認したい.バックアップをしないでディスク診断修復プログラムに頼るのは馬鹿げている.


ディスク診断修復プログラムはどのような時に使用するか

ディスク診断修復プログラムは,ディスクに異常が出た場合に使用するほか,Macintosh を異常終了し,ディスクに異常が発生しうる事態が起きた直後に実行すると良い.

使用して効果のある場合

・起動しない.フロッピーに?の点滅するアイコンが出る
・サッドマック
・ディスクを初期化しますかというダイアログが出る
・ヴォリューム,フロッピーがマウントされない
・あるはずのファイルやフォルダがなくなっている
など,ディスクに原因の可能性があるトラブル

・ハードディスクのアクセス中にリセットした
・停電等で突然電源が切れた
・ケーブル等接続に異常があった(途中で外してしまった,ターミネータ不良など)
・SCSI の設定が誤った状態でディスクをマウントさせてしまった
・SCSI 機器の電源を誤って切ってしまい強制終了させた
など,主に SCSI 機器,回路にストレスがかかるような事態があった直後


ディスク診断修復プログラムの限界(1)
(爆弾に対してはほとんど意味がない)

ディスク診断修復プログラムはディスクの書き込みに関する異常に対して効果があるが,ディスク以外に起因するトラブルに対してはあまり効果がない.例えば,Type 11 エラー,Type 1 エラー, No FPU エラーなどメモリやシステム,アプリケーションプログラムに起因するようなエラー,コンフリクトに対してはほとんど無関係なのでこれらのエラーの解決にディスク診断修復プログラムを使用することはあまり意味がない.

ただし,システムエラー,フリーズ,ハングなどではリセットを伴うので,ディスクにストレスがかかるような状況であれば,そのことに対して行うことは必要なことである.


ディスク診断修復プログラムの限界(2)
(ファイルやアプリケーション,システムの異常にはほとんど効果がない)

ディスク診断修復プログラムはファイルやシステムのある種の状態を調べ,バンドルビットやファイルやフォルダの作成日付,複数のシステムの存在を報告する.このことが初心者には何かしら役に立っているように思わせているが,これらはほとんど無害な事柄で,障害というには大げさである.ファイルやシステムの診断をするといっても,デバッガではないのでプログラムミスを知らせてはくれない.
ただ,システムスーツケースに関する診断ではそれらが壊れていることをまれに報告することがあり,有効である.また, Mac Tools Pro などウイルスを走査するような場合はその目的に関しては有効である.

[ 注  バンドルビット,日付の異常とは何か ]



ディスク診断修復プログラムの限界(3)
(ハードウェアの異常にはほとんど効果がない)

ディスク診断修復プログラムはハードウェアの異常をチェックする機能は持っていない.この場合もこれらプログラムは無力である.



誤った診断

先に記述した「使用して効果のある場合」のケースの中にはディスクの書き込まれた状態以外に,ここまで書いたような他の原因(システム,ハードウェア)によることも多い.
例えば,サッドマックはディスクの原因であることよりも,システムや SCSI 接続の問題であることの方がはるかに多い.そのようなディスク関連以外の問題が原因である場合,ディスク診断修復プログラムを使用して問題が解決することはない.

さらに,注意すべきことは,そのような場合で特に基板,SCSI 機器などハードウェアとその設定,接続に起因する原因がある場合,ディスク診断修復プログラムは誤った診断を下すことがあることである.

例えば,SCSI 接続ではSCSI に異常があれば, SCSI 信号にノイズが発生し,誤信号が送られる.ハードディスクが複数接続されている場合, これらが誤ったディスクの状態,データとして Macintosh に認識されることがある.
ディスクの状態が誤って認識されているわけであるから,その状態でディスク診断修復プログラムを実行すると誤ったデータを診断して,正常な状態のディスクなのに(接続等が異常であるとは判断せず)ディスクのデータに誤りがあると判断,報告してしまう.

ディスク診断修復プログラムはこの時点でユーザーに,発見した異常を修復するかと聞いてきたり,修復不能,再フォーマットが必要などと診断してしまう.(自動的に修復するように設定している場合は直ちに修復?に入る)ユーザーがOKと答えるとそれでデータはおしまい.正常なデータは誤った記録状態に置き換えられ,また正常なディスクにフォーマットを泣く泣くしてしまい,そのデータを取り戻すことは大変難しくなる.(バックアップなしではまずダメであろう)

PCI-Mac 漢字Talk 7.5.2, System 7.5.2 で起き,私が警告した Norton の問題はこれらの内, PRAM に起因する異常であった. Norton がデータを破壊したというのは真実である.しかし,その原因を全て Norton のせいにするのはどんなものだろう.私は決してそのようには書いていなかった.
また,これは Norton に限らず,他のディスク診断修復プログラムでも同様に起こり得たもので,一人 Norton だけが非難されたのは,それだけ Norton の普及度が高かったということであろうが,的を射たものではなかった.

このような,ハードウェア, SCSI 機器,回路に原因があり,ディスク診断修復プログラムが誤った診断を下すことのあるケースで主なものを列挙してみる.

ディスク診断修復プログラムが誤った診断を下すケース
SCSI ターミネータ異常

ターミネートし忘れた
ターミネータ不良
ターミネータに電源が供給されていない
3カ所以上ターミネートされている
IIfxで純正ターミネータを使用してない
など

[ 注 このような場合,ターミネータ異常となることがある ]

SCSI ケーブルの異常

製品の不良
断線
シールドの不良
(これらは使用法による.よくいわれているケーブルの扱い方に従うようにする)
ケーブルのコネクタ接続がきちんとできていない(逆,十分差し込まれていない)
など

SCSI 規格に従っていない

ID の重複
[ 注 内部 SCSI の ID 重複について ]
全長が長い(6m以内でも怪しい)
など

PRAM 異常

ほか

[ 注  SCSI 機器,接続の異常に気づいたら ]

[ 注 SCSI 機器を誤って切ってしまったら ]




ディスクを診断,修復する手順

先に書いた,「ディスク診断修復プログラムはどのような時に使用するか」に相当するような場合に次のような順序で診断,修復を試みる.
1. Norton Disk Doctor, MacTools Pro など市販プログラムで診断する.修復しないこと.

2. Disk First Aid を使用し,検証,修復させる.

3.ハードディスクフォーマッタを起動し,異常がないか確かめる.

4.市販プログラムで修復を試みる.複数のプログラムを試みるか,初期化し直してセーブしたデータに戻す.
最初に,市販されているプログラムを使用して異常があるかどうか診断させる.ここでのポイントは診断だけとし,修復させない点である.異常が報告されたら,報告をメモするかセーブし,異常が接続等に起因するものでないことを確認する.異常が報告されなくても Disk First Aid を使用し修復を選択する.
最初から Disk First Aid を使用しないのは, Disk First Aid は診断結果を内容までは報告しないからである.どこに問題があったかを知らないまま修復することは,その時は問題が解決しても,再び問題を引き起こす原因が放置されたままになる可能性がある.市販プログラムはその点,原因を詳しく報告してくれる.診断結果はセーブだけだと実際にセーブされない場合が見られるので,ディスクの異常を把握しきれない場合メモしておいた方がよい.もしも,異常が報告された場合は接続等でのミスがないか確認しておく.

Disk First Aid は以前の System 6.x や System 7 初期の頃の Disk First Aid ではなく,最近のものはかなり効果的になっている.以前の Disk First Aid を知っていてほとんど使いものにならないと思っている方は認識を改める必要があろう.市販プログラムでは異常なしでも Disk First Aid で異常があると診断する場合もある.ただし, Disk First Aid では解決できないことも少なくはない.

Disk First Aid で修復できませんと出た場合,そのディスクはかなり危ない状態かもしれない.一応,ドライバの異常,PRAMの異常がないか,そのディスクを初期化したフォーマッタで異常がないか確かめる.ここで,ドライバに異常があればドライバの再インストールを行う.PRAMクリアも有効な場合がある.

ここまででだめな場合に,市販プログラムで修復させる.ここまでで異常が解決できていない場合は,すでに市販プログラムでも修復できない事態であることが多い.修復させることでデータを失うことがあるが,それはこれら市販プログラムが失わせているのではなく,もともと救えないデータだったのである.しかし,修復ができる事ももちろんあるので試す意味がある.ある市販プログラムでは修復できない場合に,他の市販プログラムで修復できたというケースはままあるので,複数のプログラムを所有しているといい.

市販プログラムでの修復ではだめなこともあるので,バックアップに戻さなければならないことがある.大容量のディスクの場合は初期化とバックアップデータのインストールの時間が馬鹿にならない.従って,市販プログラムでデータを失ってでも実行し,一応の異常のない状態にし,コピーユーティリティを使用して,削除されたデータのみを再インストールする方法が(失ったデータが分からない場合)良いように思える.

Norton を使用しないというのは DriveSavers MAC Drive Tips などで述べられていることである.初心者が何でも Norton に盲目的に頼る現状を見るにこのように Norton の使用そのものを禁ずるのも一つの方法である.要は,ユーザーが自らのレベルに相応しい使用法を心がけるべきなのである.後で述べるように,ここで書かれていることの大半が理解できないユーザーは,市販のディスク診断修復プログラムを使用すべきではない.


市販周辺プログラムの問題点 - FileSaver

Norton Utilities では Norton Disk Doctor 以外に通常のインストールをするとさまざまな周辺プログラムをインストールする.このうち,FileSaver, Speed Disk には問題が起きる場合がある.

FileSaver はカタログツリーなどの状態をバックアップするものだろうと思うが,問題はそのデータを当該ディスクに書き込むことにある.通常は不可視ファイルとして書き込むのでユーザーが意識することはないが, ResEdit などでディスクの状態を観察すると見ることができる.正常なディスクで通常の使用では有用なプログラムであることもあろう.例えば, DriveSavers MAC Drive Tips は使用することを推奨している.しかし,ひとたび問題が起きたり,異常な状態で FileSaver が働くと困ったことになり,データを失いかねない.

FileSaver はディスク周辺部のディレクトリをバックアップしていると思うのだが, Macintosh のハードウェアや PRAM に異常があった場合,その誤った情報に基づいてデータを更新してしまう.この場合,後で FileSaverに従って Norton Disk Doctor が修復を試みるとひどいことになってしまう.データは失われる.

また,ボリュームビットマップが壊れていたり,上記のような状況で誤って Macintosh に認識されている場合, FileSaver が自動起動してしまうと,通常はディスクの空き領域に書き込まれるはずの Filesaver のデータが他のデータのある領域に書き込まれることがある.こうなってしまえば,先に書き込まれていたデータは救えない.

FileSaver は通常の使用でも他のプログラムと問題を起こすことがある.デザイン室ではかつては FileSaver を使用していたが, AutoDoubler など不可視ファイルを作成する他のプログラムや,コントロールバーとの非互換性の問題があって,使用を取りやめた.これ以外にも FileSaver の非互換性の問題はよく見聞きする.
また,最近の大容量のハードディスクでは FileSaver が書き込むデータも大きくならざるをえず,その間の作業の中断も問題となるだろう.
(これ以外にも FileSaver の問題を広島大学大房先生が公開されている)


市販周辺プログラムの問題点 - オプティマイザー

オプティマイザーとは SpeedDisk などのハードディスク最適化プログラムのことである.
[ 注 オプティマイズとオプティマイザーの原理 ]

[ 注 オプティマイズとオプティマイザーの原理 ] で触れた原理から分かることであるが,オプティマイザーで最適化の最中に停電等で途中でプログラムが異常終了してしまうと,書き移していた最中のデータが失われてしまうことがある.それが,たまたまカタログディレクトリブロックのようなディレクトリに関する情報の部分だと,そのハードディスクのデータは全滅である.
また,他の自動終了できるプログラムや Macintosh の自動終了と組合わさった場合,オプティマイズの最中に終了してしまったりすると同様のことになる可能性がある.

MacToolsPro のオプティマイザーは大変よくできていて,オプティマイズ終了後,自動終了できる機能があり,さらにバックグラウンドでの使用が可能である.ところが,これがあだとなって,他のアプリケーション作業中に Macintosh が終了してしまうことがある.私はこれでデータを失ってしまった経験がある.それ以来,自分の Macintosh やアプリケーションでは自動終了の機能を決して使用しないようになった.

Norton SpeedDisk は Open Transport 1.1 下で(Open Transportのせいで)問題が生じると Apple が述べている.漢字Talk 7.5.3 などで Open Transport 1.1 を使用している場合,SpeedDiskの使用は控えた方がいいのではないだろうか.


市販周辺プログラムの問題点 - その他ー

古いバージョンの MacTools Pro Trash back を使用していると漢字 Talk 7.5.1 以降でシステム終了,再起動時に画面が暗くなっても終了,再起動できずにフリーズしてしまうということを聞いている.(未確認,4.0.3 では問題ないそうだ)


まとめ

以上に書いたことは Macintosh 初心者には理解しやすいこととは思えない.文中で触れたように DriveSavers MAC Drive Tips ではディスクに異常が発生したときに Norton をかけないようにと警告している.初心者がディスクや Norton の動作原理を知らないまま Norton で修復させるのは,私には無謀なことのように思える.初心者が Norton をそのままインストールし自動起動で修復させている様子は目を覆いたくなる気分にさせる.私自身は周辺の初心者に使用しないようにとアドバイスしている.よく,初心者や コンピュータを初めて買うときに最初に購入すべきアプリケーションであると言っていたり,必携のプログラムのように喧伝しているのを見かけるが,それは無責任な場合もあるのではないだろうか.初心者はディスク修復を慎重にしてもらい,できれば,ディスクに異常があるのではと思った場合,まず,上級者に相談するまでは何もしないことが最善だと考えていただきたい.

しかし,一方でここに書かれたことなどが理解できるかそれ以上のレベルのユーザーにはとても有益なプログラムであろう. Norton は限界のあるプログラムである.限界のないプログラムなどは存在しないのである.それをなにかしら万能のように思わせてはいけないし,思い込まされている初心者は考えを改める必要があると同時に,限界を理解しないで万能であるべきだとの思い込みから Norton は無能だ, Norton がデータを壊すと一方的に言うのも考えものなのである.

ここでは Norton と書いているが以上の毀誉褒貶は Norton について多く見かけるので,ここではディスク診断修復プログラムと書かず, Norton と書いた.これまでに述べたことのほとんどは Norton だけでなく,MacTools Pro でもあてはまることであり, Norton だけにあてはまることではない.


その他 - 私の使い方, Norton への誤解など

MacTools Pro は生産が終了し,これ以上のバージョンアップがなくなり,在庫限りで販売終了となる.私はディスクの診断修復は Norton Disk Doctor と Disk first Aid を使用するが,たまに MacTools Pro を使用してる.また,オプティマイザーは以前はディスクエキスプレス II の愛用者であったのだが, System 7.5.3 からはなぜか使用できないので MacTools Pro のものを愛用している. MacTools Pro は終了するが,その機能の優れたところは Norton の新バージョンに組み込まれるそうなので期待したい.以下にこれらの製品比較をしてみる.(以下 Norton Disk Doctor は Norton と記述する)

ディスク診断修復プログラム

Norton Disk Doctor と MacTools Pro の違いはいろいろある.
1. Norton 現バージョン(3.2.3)は 68K コードのみであるが, MacTools Pro はネイティブでも書かれている.

2. MacTools Pro はウイルスチェックができる. Norton のその機能はないことはないが比較にならない.

3. MacTools Pro はバックグラウンドでの動作ができる. Norton はできない.しかし,この問題は善し悪しである.バックグラウンドでできるということは,対象ディスクを検証修復中にいじる可能性があるということである.目もあてられない結果になる. Norton のように診断修復中は他のことができないようになっている方が安心と言える場合もあるのである.

4. Norton はディスクの状態の何をチェックしているのかメッセージがでて,比較的分かるが, MacTools Pro はそのようなものはでないので,良く分からない.これは,初心者にはややこしいメッセージがでないということから MacTools Pro をかえって取っつきやすくしていると思うが,これまで述べたように初心者が使いやすいというのはむしろ考えものである.

5. Norton のマニュアルに書かれたハードディスクの一般理論は,私には大変勉強になった経験がある. MacTools Pro のマニュアルも悪くはないが,一般理論が書かれているわけではない.
これらのことから,私はウイルスチェックで MacTools Pro を使用する以外は,特に今何をチェックしているのか把握しやすいことを重視して Norton をディスクの診断に主に使用している.

Norton の前のバージョンで出た「予備パーティションエラー」はパーティションをハードディスクに施しているとそれに対して警告した.これはエラーでも何でもないのだが,重大な問題だと Norton は指摘してしまった.(当時, Apple の用意したフォーマッタはパーティションに対応していなかった)

Netscape がらみでカタログ B ツリー異常が報告されることがよくあるが,これは Netscape のバグである.Norton で修復させると修復できたと報告するが,実際にはできていない.この問題は Netscape の初期設定フォルダを別の場所にコピーしてからもとの初期設定フォルダを削除し,コピーしておいたものを戻すことで解決する.
WWW-Clients-for-Mac(山名氏)を参照のこと)

Norton のチェックでは,私は「不良ブロックチェック」と「ファイル診断中 ... 」の項目は通常ではパスしている.時間がかかる割に,めったに問題が起きることではなかったり,あまり本質的に重要ではなかったりするからである.(時間があるときなどは行うことは全く無駄ではない.ごく希に対応すべき事項を指摘することがある.ただし, [ 注  バンドルビット,日付の異常とは何か ] でもふれているがバンドルビットや日付の異常が報告されても気にする必要はあまりない)

Norton や Disk first Aid で異常が発見され,修復した場合は修復できたとこれらのプログラムで報告されても,もう一度再検査しなければならない.修復したと報告されても直ってなかったり,最初の診断修復では発見されなかった問題が発見されることがある.

Disk First Aid や Norton で解決できない問題を MacTools Pro が解決できることがある.

これらのプログラムを実行する対象ハードディスクは開いているファイルがあると十分できないことがある.システムや Norton自身 がそうである.
そのような場合は,
外付けハードディスクや MO から起動して対象ヴォリュームにあてる

パーティションを施して起動ボリュームを変更し,別ボリュームから起動させ,対象ヴォリュームにあてる.

CD-ROMやフロッピーから起動し,フロッピーや MO の Norton や Disk First Aid を起動する.
などの方法がある.なお,開いているファイルとして認識するものは仮想記憶などの一時ファイルもそうであるので,スクラッチディスクに指定しているヴォリュームは開いたファイルがあると報告する.
Mac Tools Pro での RAM ブート機能は最近の一部 Macintosh ではきかない.また,緊急用フロッピーディスクとしてこれらの製品に付随するものや,製作する機能は PCI-Mac では使えない.
(時間が許せば, PCI-Mac で起動できるフロッピーディスクの作成法をそのうち書きたいと思っていますが,このことを最初に別のページで書いたのは 4 月 14 日でした.期待しないで下さい.これを書くのもやっとの思いでした.)

あるところで Norton は PCI-Mac 対応であるので PCI-Mac には Norton を使用した方がいいという記述(当然 Mac Tools Pro は危ないと受け取れる)をみかけたが,どういう意味なのか詳しくは理解できなかった. PCI-Mac System 7.5.2 下でハードディスクに問題が起き, Norton での修復がデータを消失させたことがあった.良く分からないのであるが,これを多くのユーザーは PCI-Mac に Norton が対応できていなかったためとし,新バージョンでそれが直ったかのように受け取っているのではないだろうか.それは誤りである.System 7.5.2 , 漢字 Talk 7.5.2 で配布された Open Transport 1.0.x の異常から PRAM の内容が損傷し,それがハードディスクの PRAM 内の管理データに及んだために Norton が誤った情報に基づいて診断修復した結果である. Norton のプログラム自体に PCI-Mac でハードディスクのデータを壊すような大きなバグがあったわけではないと私は理解している.

Norton の PCI-Mac 対応というのは 4GB を超える容量のヴォリュームに対応したことが主な理由である.(予備パーティションエラーの報告の問題も解消されている) Mac Tools Pro は 2GB までしか対応していない.この点について,確かに Mac Tools Pro は PCI-Mac に完全には対応できていないとは言えるだろう.


オプティマイザー

以前は,私はディスクエキスプレス II の愛用者であった.これは System に組み込まれ,バックグラウンドでユーザーが Macintosh を一定時間以上使用していないときに動作するものである.また,頻繁に使用するファイルを記録していて,その記録に基づいて最適化時にディスクが読み込む時間が短くなるように配置するという機能がある.ディスクの最適化の時間は長くかかる方だがユーザーは意識しないのですむのでその点は気にならない. 使用ファイルの記録は不可視ファイルとなる.このファイルはディスクエキスプレス II は動かせないのだが,動作中のシステムファイルも最適化できるところはたいへん優れている.
ただ,使用ファイルの記録は結構大きいので(数MB)ディスクを圧迫する.また,あまり,この記録は賢くはないようだ.ある雑誌のテストでは SpeedDisk との比較でオプティマイズ後のハードディスクは SpeedDisk の方がほんの少しではあるが速かった.
ところが,私は AutoDoubler を使用しているのであるが,ディスクエキスプレス II がこれと問題を起こす.
AutoDoubler とディスクエキスプレス II の問題.

PCI-Mac (漢字 Talk7.5.2以降)でディスクエキスプレス II ( 2.20 )使用時に AutoDoubler ( 2.0.5 )圧縮ファイルがあると「ディスクに問題がある」とか複数ユーザバージョンで「他のユーザが使用している」とか出て機能しない. 68k Macintosh では問題ない.第1世代 PowerMacintosh ではどうなるかは試していない.

昨年 PCI-Mac が発売されてすぐに起きた問題で,最初から AutoDoubler が怪しいと疑っていたのだが,他にも漢字 Talk7.5.2 では AutoDoubler に他にも問題があったためにその時には特定できていなかった.また,今回わかったことであるが,不可視ファイルの問題のようで,単に AutoDoubler を入れたり外したりすることでは問題が変化しない事も原因をわかりにくくしていた.一応ディスクエキスプレス II のサポートではその時点で問題報告がないようであったが,私は AutoDoubler との問題の可能性を伝え,サポートからは以降も連絡してくれといわれていたがそのままディスクエキスプレス II を外してしまっていた.

ディスクエキスプレス II と AutoDoubler は PCI-Mac では機能を両立できない.どちらかを外す.ただし, AutoDoubler を入れるだけで不可視ファイルを作成しなければディスクエキスプレス II で問題は起きず,圧縮ファイルもオプティマイズできる.

現在では私は MacTools Pro のオプティマイザーを使用している.この最近使用したファイルの日付順に最適化する機能は気に入っている.最適化にかかる時間をかなり短縮してくれる.また,バックグラウンドで動作することも優れている点である.最適化終了後 Macintosh を自動終了する機能もある.(ただし,これらの機能の使用については細心の注意が必要である.オプティマイズ中に対象ディスクのファイルを動かしてしまう可能性など,すでに述べていることから危険性はわかるであろう)

SpeedDisk との比較では最適化にやや時間がかかるような気がする.

ディスクエキスプレス II 以外は起動ディスクには施せない.他のディスクから起動する方法は先にディスク診断修復プログラムで書いたのと同じである.



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[ 注 ]

バンドルビット,日付の異常とは何か

Macintosh はシステムでアイコンのデータ(リソース)を持っている.フォルダとかファイルの白紙アイコンなどのアイコンがそうである.それに対して固有のアプリケーションのアイコン(例えば Netscape の舵輪のアイコン)はそれぞれのアプリケーションなどが個々にそのデータを保持している.このような固有のアイコンのデータを持っているかどうかを記録しているのがバンドルビットである.固有のアイコンデータを持っているのに,このバンドルビットが正常でなければ,デスクトップファイルにそのことを指示できないため,そのアイコンが表示されず,システム標準の白紙アイコンなどが表示されてしまう.
ディスク診断修復プログラムの報告するバンドルビットの異常というのはこの事態を指しているので,ディスクの異常ではないし,この異常があるために何らかのデータ消失,ハードウェアの障害に発展することは考えられない.要するにディスク診断修復プログラムがこの異常を報告してもあわてる必要は何もない.私はこの異常は無視しているどころか,通常はスキップしてこの診断自体行わない.

日付は Macintosh 内部で時間を計っている部分があって,それはコントロールパネルの「日付&時刻」でユーザーが設定する.ところが,例えば PRAM を完全にクリアすると,この日付等が全く狂ってしまうし,ユーザーがまちがって設定することもある.(最近の機種のキーボード PRAM クリアは実は完全な PRAM クリアではない)また, Macintosh の内部時計はいいかげんで1ヶ月で何分も狂ってしまうことがある.ファイルやフォルダには作成,修正の日付,時刻が記録されているのだが,それはこの内部時計によっている.複数の Macintosh 間でファイルを作成していたり,同一の Macintosh で日付などが大きく狂ってしまったりした場合,例えば作成日付より修正日付の方が古いというおかしな事態になってしまう.
ディスク診断修復プログラムはプログラムが使用されている Macintosh の内部時計に合わせてファイルの作成修正日付をチェックしているので,その Macintosh の内部時計によって結果は異なってくる.誤った設定の内部時計の Macintosh 上での診断は当然誤った診断であり,修正することは間違った日付時刻データにしてしまうということである.この日付等に関する診断も上記バンドルビットと同様ほとんど無視してよい事柄である.むしろ,しないほうがいいこともあるだろう.私はスキップしている.



このような場合,ターミネータ異常となることがある

本体に SCSI ケーブルを接続し,一方のケーブル端に何もしていない場合.
(ケーブル端にターミネータをつければよい)
周辺 SCSI 機器にパススルー型のターミネータをつけている場合で,そこにケーブルを接続し,一方のケーブル端が別の SCSI 機器に接続されず,何もしてない場合.
SCSI ターミネータが必要な場合で,ターミネータに電源が供給されていない場合.
(ターミネータには電源が供給されていなければならないといわれているが, SCSI 機器では電源を入れなくてもターミネータには電源が供給されている機器と電源を入れないと供給されない機種とがあるらしい.それらを見分けることはできないし,マニュアルに書かれているわけではない)



内部 SCSI の ID 重複について

内部 SCSI のある機種(最近の Apple の ミッドレンジ以上の 製品のほとんど.ただし,サードパーティの Macintosh クローンには内部 SCSI のないものがある)ではドライバーで対応していれば SCSI ID を重複して設定できる.例えば,Drive 7 v3.70(ロング SCSI 番号オプション)など.また, IDE 搭載機種での ID 0 は SCSI で使用することができる.

'96年10月6日付 MacinTouch への投稿情報によると,Drive 7 の内部 SCSI のある機種で SCSI ID を重複させて使用できる機能(ロング SCSI ID 番号オプション)が System 7.5.5 では機能しないことがある.(7.5.3 でもか?投稿文だけからは不明)Casa Blanca Works ではバージョン 4.0 を出荷予定で,そこではこの問題は修復されている.



SCSI 機器,接続の異常に気づいたら

ターミネータを接続し忘れた, SCSI ID を重複させてしまったなど,SCSI に異常がある場合, Macintosh が起動しなければ被害はあまりない.しかし,読み込みを始めて( ID 0 を重複させてしまい)途中まで読み込まれたとか,ディスクをマウントしてしまった,その状態でファイルを移動するなど作業をしてしまったというような場合,被害は甚大になり,最悪の場合ファイルを失ってしまう.このような場合,ディスク診断修復プログラムでもファイルを取り戻すのは難しい場合がある.
このように SCSI 設定,接続の異常がある状態で Macintosh が読み込みを始めてしまった場合,起動時にハードディスクアクセスに通常より長く時間がかかるなどの異状を感知しうるので,起動途中に気付くことができる.
このような SCSI 接続,設定のミスに気がついた場合,起動途中でも強制リセットするか,Finderロード後正常終了をしないで強制リセットで終了することの方が被害を小さくするケースもありうる.もしも,正常終了させてしまうと誤ったファインダ上のデータが書き込まれてしまうが,強制終了することで Macintosh にハードディスクへの書き込みをさせないようにするのである.
もしも,このような状態で正常終了させてしまった場合,同一ディレクトリ(ハードディスクの部分)に複数のファイルが重複して書き込まれているというようなありえないデータ状態(クロスリンク)として記録されてしまうような事態になることがある.このようになってしまったらディスク診断修復プログラムでは回復不能である.ファイルは失われてしまうであろう.(このような事態を救うのはバックアップである.また,このような事態をディスク診断修復プログラムのせいでデータ消失してしまったとする誤解が生じるかも知れないが,ディスク診断修復プログラムのせいでないことはお判りになると思う.しかし,次の FileSaver の類のケースは異なる)
また,このような状態で FileSaver などの類が働いてしまうと FileSaver の類は誤った状態を記録してしまうので何の役にも立たなくなるだけでなく,でたらめな状態でディスクに書き込みをしてしまうので事態を悪化させて,例えば,記録されているデータのあるディレクトリに FileSaver のデータを上書きして,そのデータを破壊してしまう.(本文でも触れているように FileSaver は善し悪しである.)
もちろん,強制終了はリスクを伴う.ハードディスクアクセス中にリセットすることは危険である.アクセスは書き込みと読み込みがあり,起動中のリセットでは,読み込み中であるので.データの保全についてそれほど問題としなくてもいいが,危険なことに変わりはない.アクセスの合間を計ってリセットする.



SCSI 機器を誤って切ってしまったら

SCSI 機器は通電しマウントしてしまったら,本体を終了再起動することなく電源を切ることは通常は行ってはいけない.誤って SCSI 機器の電源を切ってしまった場合, Macintosh はハングする.普通はここでリセットをしているのではないだろうか.そのような場合,作成中のファイルなどは失われる.
しかし,このようなハングからは復帰することができる.誤って電源を切ってしまった機器に再び電源を投入するのである.これは,接続ケーブルを取り外してしまった場合も同様で接続し直せばよい.
Macintosh は定期的にバックグラウンドで SCSI 接続をチェックしているために, SCSI 機器の電源を切ってしまうとそのチェック時にハングするのだが,再び接続を回復することで,このチェックが通ってしまうのである.
ただし,復帰できても,再起動した方がよい.



オプティマイズとオプティマイザーの原理

ハードディスクにデータを書き込む場合同じ場所に連続して書き込まれていると問題はないのだが,離れた場所にいくつかに分かれて書き込まれると離れた場所のデータをディスクヘッドが走査するために移動したりする時間が余計にかかり,データの読み書きが遅くなる.このような状態を断片化(フラグメンテーション)という.断片化はディスクの書き込みの原理からは避けては通れない問題である.例えば,あるワープロデータが書き込まれ,次に別のデータが連続して書き込まれたとする.最初のワープロデータを書き加えて更新し再びセーブしようとするとデータが大きくなっているために同じ場所に連続しては書き込めず,別の場所に書き込まれることになる.

このような,断片化が進んでくるとハードディスクが体感的にも遅いことが分かるほどになる.それを解消することを最適化(オプティマイズ)という.最適化は,断片化したデータをディスクの空き領域に連続して書き込み直すことでできる.このとき,単に空き領域に書き込んだだけでは,断片化していた抜き出されたデータの後が細かく空き領域として残るために再び断片化の原因となる.そのため,市販のオプティマイザーは全てのデータを連続して書き込み直すようにしている.(別のディスクに書き込み直すのと同じ事である)

市販のオプティマイザーは断片化を調べて断片化の割合を報告する.このとき数パーセントの値があれば,それは相当の断片化率ということができる.全ファイルの数パーセントというと大したことがないように思えるかも知れないが,実際にはオプティマイズの必要がある.ハードディスクには数千のファイルがある.そのうち数パーセントとなると数十のファイルが断片化していることになる.通常我々がハードディスク上で作業をするファイルは限られている.断片化を起こすのは作業されているファイルである.つまり,数パーセントのファイルが断片化しているということは日常使用しているファイルのほとんどが断片化しているということである.

オプティマイザーはファイルをいったん同一のハードディスクの空き領域に書き込み,連続した空き領域を確保した後で,データを書き込み戻し,仮に書き込んだデータを消去する.このことは次のことを意味している. FileSaver などでゴミ箱で捨ててしまったファイルを取り戻そうとしても最適化した後では,上書きされているためほとんど絶望となる.




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