平成21年度 文部科学省委託事業「教員の資質能力追跡調査事業」
追跡調査による教員の養成・採用・研修システムの検証と改善 成果報告書
本報告書は、文部科学省による委託事業「教員の資質能力追跡調査事業」の「追跡調査による実証」部門において採択された「追跡調査による教員の養成・採用・研修システムの検証と改善」の調査研究の結果報告書である。 この調査研究は、「一定数の学生・教員に継続的に追跡調査を行うことなどにより、学生・教員の資質能力と現在行われている教員養成・採用・研修の効果等との関係を実証的に調査・分析することを通して、教員としての資質能力がどのように養成されているのか、そして、優れた人材を教員として確保するためにどのような養成・採用・研修等が行われるべきか」を明らかにすることを事業内容としている。 この「追跡調査による実証」部門では、全国16大学の研究が採択されており、香川大学はそのうちの1校である。新見治前教育学部長を調査責任者として申請した本調査研究は、2009(平成21)年9月よりスタートした。その後、2009(平成21)年10月に、新見学部長の任期満了にともない、有馬道久教育学部長へとバトンタッチされた。半年後の現在、今年度の調査研究を終え、その成果を報告書にまとめる段階に至った。 本調査研究は、これまで教育学部が取り組んできた教員養成の、いわば総点検である。そのため、本調査研究がスタートした時点で、総勢20名からなる実施委員会が組織された。この20名には、大学教員とともに、香川県教育委員会のご協力を得て、教育委員会関係者1名も含まれている。この実施委員会を母体とし、さらに実施委員会から選出された7名によるワーキンググループも組織され、本調査研究は進められていった。 本調査研究の主な対象は、香川県内の小学校にすでに勤務している卒業生および勤務を希望する在学生である。しかしながら、本年度は調査研究の初年度でもあり、可能な限り教育学部における教員養成の取り組みを総体的に把握するために、香川県内の勤務を希望する在学生に限らず、小学校以外の教員志望者を含め、教員志望の4年生全員を調査対象としてアンケート調査を実施した。 加えて、来年度(2年目)および再来年度(3年目)に実施を予定している調査研究の前段階にあたる調査として、2009(平成21)年3月に本学部を卒業し、現在、香川県内の小学校に勤務している卒業生にもアンケート調査を実施すると同時に、卒業生の勤務校の管理職にもアンケート調査およびヒアリング調査を実施した。 しかしながら本報告書では、本年度の本来の研究課題である教員志望の4年生に対する調査結果のみを掲載している。卒業生に対するアンケート調査および卒業生の勤務校の管理職に対するアンケート調査およびヒアリング調査結果は、来年度および再来年度の調査結果と合わせて分析するためのデータであることから、これらについては、来年度および再来年度の調査結果とあわせて分析した上で公表する。 いずれにしても、在校生だけでなく卒業生にも、さらには卒業生の勤務校の先生方にも多大なご協力を得ることができたことで、本調査研究は貴重な成果を得ることができた。多大なご協力を得た本調査研究にもとづくデータが、今後の教育学部が進むべき道を指し示すことであろう。 本調査研究に対してご協力いただいた皆様に対し、この場をお借りして心から厚く御礼を申し上げたい。さらに、来年度および再来年度と継続して実施予定である本調査研究の成果全体を得るまでにはまだ時間を要する。今年度の調査結果をもとに、さらに調査研究を進めていく中では、今後も関係者の皆様からのご協力が不可欠である。今後の香川大学教育学部の発展のために、また今後の日本の教員養成の発展のためにも、引き続き本調査研究へのご協力をお願いしたい。 平成22年3月 追跡調査・実施委員会委員長 柳 澤 良 明 |
1.調査目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.研究体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.調査方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 4.調査結果 A あなた自身のことについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 B 性格について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 C 大学生活について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 D 教員志望の動機について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 E 大学進学動機について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 F 大学の授業全般について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 G 学校教育基礎研究の科目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 H 学校教育実践研究の科目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 I 学校教育発展研究の科目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 J 教育実習について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 K 卒業研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 L 教職自主サークルへの参加について・・・・・・・・・・・・・・・・・24 M ボランティア活動への参加について・・・・・・・・・・・・・・・・・26 N 教員免許状以外の資格取得状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 O 教員採用試験に向けての専門学校や通信教育について・・・・・・・・・31 P 大学での部活動・サークル活動について・・・・・・・・・・・・・・・32 Q アルバイトの経験について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 R 教員採用試験への努力について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 S 取得単位数について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 T 成績について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 5.考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 6.参考資料(アンケート) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 |