★☆★☆ ⇒《研究室の小窓》
3.「わくわくコンサート」−3・・・・・・・・・・・・・・・・・青山 夕夏

 2月7日(日)「第3回わくわくコンサート」が盛況のうちに無事終了いたしま
した。皆様のあたたかいご支援とご協力のおかげと心より感謝いたしております。
ご来場の皆様にはスペイン音楽の魅力の一端をお楽しみいただけたのではないかと
思います。ありがとうございました。
 
 このコンサートの実行委員会は、学部、サークル、専門の枠を越えて集まった学
生で構成されています。日頃、各分野でリーダー的存在として活躍している彼らで
すが、このような学外での活動ではいつもとは違う難しさもあったことと思います。
しかし、それぞれの役割を自覚し、一生懸命に取り組みました。
 また多くの学生や教職員、学外のボランティアの方々にもご協力いただきました
こと御礼申し上げます。

 さて、今年のコンサートは、子どもたちはもとより、これまでになく各年代の方
々のご来場が多かったことを嬉しく思いました。楽器体験コーナーでも大人の方々
が喜々として参加されている姿を拝見し、初心にかえり、音楽との接し方を考え直
す機会ともなりました。

 私は今年度、ベルリン芸術大学とソウル大学で演奏機会を得ました。壁崩壊後、
20年を迎えたベルリンでは、かつて多数を占めていた日本人留学生は激減し、多
くの韓国人が学んでいました。またソウルでは日中韓の参加者を中心とするフルー
ト・コングレスが開かれましたが、参加していた中国人音楽家から中国の現在の様
子をきくことができました。数年前、私が上海音楽院を訪れた際、現地の学生達の
音楽に対する熱意に驚嘆させられたことを思い出しましたが、そこからさらに次の
段階に入っています。
 
 日本においては高度成長期に見られたような類の音楽教育に対する高揚は、過去
のものとなりました。しかしその一方で、これまでとは違った音楽を取り巻く雰囲
気が確かに感じられます。来場された方々の音楽に対する自然な接し方からもその
ことを感じました。これまで三回のコンサートを通して、私ども音楽に携わる者は、
社会の中での音楽の役割とそのあるべき方向性を探っていく必要性を感じています。
(あおやま ゆうか、教育学部教授、木管楽器〈フルート〉)

香川大学メールマガジン  第135号   2010年2月18日